【間もなく発表】ボルボ新型EV「ES90」 ソフトウェア・デファインド・カーに対するアプローチ

公開 : 2025.02.21 06:45

新型ボルボES90は、ソフトウェアで全てが制御され、スーパーセット・テックスタックで構築されます。これは、将来のボルボEVのすべてを支える統合型のハードウェアとソフトウェアのモジュールセットのことです。

間もなく発表されるボルボES90

ボルボの次なるEVモデルの発表まであとわずかとなった。

間もなく発表されるボルボES90は、ソフトウェア・デファインド・カー(Software-Defined Car)に対するアプローチをさらに具現化するもので、コアコンピューティング技術、常時接続、データの活用により継続的に進化し、改善していくように設計されており、つまり、毎日安全で快適な移動を楽しめるようにつくられたクルマなのだという。

間もなく発表される新型EVのボルボES90。
間もなく発表される新型EVのボルボES90。

ES90は、ボルボ車として初めてデュアルNVIDIA DRIVE AGX Orinコンフィギュレーションを搭載したクルマであり、コアコンピューティングの能力という点では、ボルボがこれまでに開発した中で最もパワフルなクルマで、これにより、データやソフトウェア、AIを通じて、安全性と総合的なパフォーマンスの水準がさらに引き上げられた。

DRIVE AGX Orinは、NVIDIAのインテリジェントカー用コアコンピュータであり、車内のさまざまな重要なシステムやプロセスを超高速で統合し制御。毎秒約508兆回の演算(TOPS)という高レベルの演算能力を持ち、AIベースの最先端のアクティブセーフティ機能、車両センサー、効率的なバッテリーマネージメントなどの機能を管理するという。

NVIDIA DRIVE AGX Orinを搭載したメイン・コアコンピュータは、DRIVE AGX Xavierと比較してAIコンピューティング性能を8倍向上させ、ディープラーニングモデルとニューラルネットワークのサイズを4000万パラメータから2億パラメータへと徐々に拡大することを可能にする。

これは、より多くのデータを収集し、クルマの開発を続けながら、カスタマー・エクスペリエンスと、何より重要な安全レベルの向上という総合的な目標を時間をかけて実現していく基盤となるとボルボは述べている。

時間とともに進化する、真のソフトウェア・デファインド・カー

ES90は、ボルボのSPA2アーキテクチャーをベースに開発され、EX90に続くボルボのスーパーセット・テックスタックを採用した2台目のクルマだ。スーパーセット・テックスタックは、統合型のハードウェアとソフトウェアのモジュールとシステムで構成され、今後発売されるすべてのEVの基盤となる。

これは、ソフトウェアの開発と使用方法における根本的な変革もたらし、ライフサイクル全体を通じて、クルマの安全性、テクノロジー、総合的なパフォーマンスを向上させる。

間もなく発表される新型EVのボルボES90。
間もなく発表される新型EVのボルボES90。

スーパーセット・テックスタックによって、こうした改善をより効率的におこなうことができ、無線アップデート(OTA)によってスーパーセットをベースとするすべてのモデルに迅速に展開することができるのだという。

こうしたアップデートには、新しいコネクティビティ機能、安全性、特定の運転状況におけるバッテリー航続距離のようなクルマの性能を向上させる機能強化が期待でき、定期的なOTAによる継続的な改善は、今やボルボ車の標準装備となっている。

また、スーパーセット・テックスタックが今後発売されるすべてのEVの基盤となるため、ボルボがラインナップするEVの性能を同時に向上させることができることにより、ES90の顧客はEX90のソフトウェアアップグレードの恩恵を受け、その逆も同様のことがいえる。つまり、ソフトウェアが今やハードウェアに代わって、顧客にとってのイノベーションと価値創造の主な原動力となっているのだと説明する。

ボルボ・カーズのエンジニアリング&テクノロジーの責任者であるアンダース・ベル

「ボルボES90は、今日の市場で最も技術的に進歩したクルマのひとつであり、時間とともにさらに改善されるように設計されています。最先端のスーパーセット・テックスタックをベースに開発されたES90は、安全性を最優先に考えられています」と語った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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