ベストセラーXC60クラスの新世代EV ボルボEX60 P10(1) プレミアムSUVの新体制完成 奇をてらわぬ上品ボディ

公開 : 2026.05.25 18:05

人気のXC60を電動で置き換える、EX60が登場。グレードは、80kWhと374psのP6から112kWhと680psのP12まで。美しく上品な内外装に、期待通りの滑らかな走り。UK編集部が初試乗です。

EX30EX90を擁するプレミアムSUVの新体制

ボルボは、バッテリーEVのEX60を投入したことで、EX30とEX90を擁するプレミアムSUVの新体制を完成させた。航続距離は最長800km以上に届き、次世代への交代が更に進展することは間違いないだろう。

かたや、ライバルメーカーの動きも着実。BMWはまったく新しいiX3を投入し、メルセデス・ベンツGLC EQテクノロジーを投入したばかり。この3台での比較試乗は、興味深い内容になりそうだ。電動SUVのプレゼンス上昇も、一層進むはず。

ボルボEX60 P10 AWDウルトラ(欧州仕様)
ボルボEX60 P10 AWDウルトラ(欧州仕様)

同社史上最も売れている、XC60クラスのEV版といえるEX60だが、見た目の雰囲気以外、当然のように共通する部分は殆どない。基礎骨格とするのは、制御電圧800Vに対応した、EV専用のSPA3プラットフォーム。EX90が採用するSPA2の、改良版となる。

80kWhと374psのP6から112kWhと680psのP12まで

駆動用バッテリーは、ボルボが「セル・トゥ・ボディ」と呼ぶ構造で、セルがモジュール化されていない点が特徴。巨大な金属製ボックスに収められており、ボディ剛性を担うが、必要になればユニットごと取り外すことも可能だそうだ。

駆動用モーターは、独自開発による新ユニット。メルセデス・ベンツのようなクラッチやギアボックスを採用せずに、高効率化を実現したという。

ボルボEX60 P10 AWDウルトラ(欧州仕様)
ボルボEX60 P10 AWDウルトラ(欧州仕様)

グレード分けは簡略化され、P6は80.0kWhのバッテリーと374psのモーターが組まれる後輪駆動。航続距離は611kmが主張される。P10は91.0kWhのバッテリーに、271psと407psのモーターによる四輪駆動。総合で510psを発揮し、1充電で659km走れる。

トップグレードがP12で、バッテリーは112.0kWhへ増量。駆動用モーターの構成は同じだが、総合での最高出力は680psへ上昇し、航続距離は809kmに伸びる。

奇をてらわず美しいスタイリング

スタイリングは、EX30やEX90と共通する、クリーンなデザインを踏襲。ショルダーの折り目が強調されつつ、無駄のないラインと穏やかな面構成で、奇をてらわず美しいと思う。ルーフラインは、ステーションワゴンのようにリアへ直線的に伸びる。

フロントマスクは、トールハンマー・デイライトが表情を作るが、その下部両脇にある、小さなユニットがヘッドライト。ドアハンドルはフィン状で、ウインドウの付け根から立ち上がっている。一般的なレバー式の方が、扱いやすいのではないだろうか。

ボルボEX60 P10 AWDウルトラ(欧州仕様)
ボルボEX60 P10 AWDウルトラ(欧州仕様)

駆動用バッテリーがフロアに敷かれるため、腰高感は若干ある。しかし、実物の方が写真よりプロポーションは整って見え、大きなアルミホイールが印象を引き締めている。

記事に関わった人々

  • 翻訳

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ボルボEX60 P10の前後関係

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