【サーキットの技術を公道へ】マクラーレンとカーボンファイバーが織りなす40年以上の進化を、名車とともに振り返る
公開 : 2025.03.17 07:05
マクラーレンF1(1993年)
マクラーレンF1には画期的な特徴が数多くあったが、その中でもとくに重要な要素となったのが、最小限の車重と最大限の構造的剛性を重視して採用した、カーボンファイバー製モノコック・シャシーと総カーボンファイバー製ボディ。ロードカーにおけるカーボンファイバー採用の先駆者として、F1は並ぶもののないパフォーマンスを誇った。わずか1140kgと軽量で、かつ6.1リッターのV12エンジンが627PSという強大なパワーを発生したからだ。
F1のカーボンファイバー製モノコックは、設計と分析に当時最先端だったコンピューターを使って開発され、ロードカーとしては前例のない驚くべきパワーウェイトレシオを達成して、スーパーカー・エンジニアリングの象徴となった。

このプラットフォームによって、F1はドイツのエーラレシエンにあるテストコースで386.4km/hという最高速度を記録し、世界最速のロードカーとなる。それだけでなく、カーボンファイバー技術はサーキットから公道へ、そして再びサーキットへと円を描くようにして戻り、F1 GTRが1995年ル・マン24時間レースで優勝することとなるのだ。
マクラーレン12C(2011年)
12Cは、マクラーレン・オートモーティブが最新式のマクラーレン・プロダクション・センターで製造した最初のロードカー。シングルピースのカーボンファイバー製タブ『モノセル』を導入し、当時のロードカーとしては前例のない軽量・高剛性を実現した。このシャシーの開発と共に、マクラーレンのカーボンファイバーの歴史は21世紀に突入。モノセルを中心に、世界で初めて総カーボンファイバー製タブを装備した、真に量産型のスーパーカー・ラインアップが誕生した。それまでの自動車産業では前例のない規模で、このタイプのシャシー構造の恩恵を享受できるようになったのだ。
12Cがスーパーカー・セグメントにもたらした革命的な新技術はほかにもあるが、モノセルは、マクラーレンが現代スーパーカーのDNAを確立する上で中核的要素となり、その後の礎となった。

当時まだ一般的だったアルミニウム製の設計と比べると、その利点は大きく、タブそのものがわずか75kgと信じられないほど軽量なだけでなく、ねじり剛性も非常に優れていた。そのため12Cのスパイダーバージョンは、シャシーに補強材を追加する必要がなかった。12Cスパイダーが生み出したこの妥協のないソリューションは、現在のすべてのマクラーレン製スパイダーに受け継がれている。









