【サーキットの技術を公道へ】マクラーレンとカーボンファイバーが織りなす40年以上の進化を、名車とともに振り返る
公開 : 2025.03.17 07:05
マクラーレンP1(2013年)
12Cの発表からわずか2年後、マクラーレンはまたしてもカーボンファイバーを活用するスーパーカー技術に革命を起こした。それが2013年に発表されたマクラーレンP1だ。マクラーレンの『1』モデルの2番目にあたるP1は、画期的な先代モデルのマクラーレンF1からさらなる進化を遂げた。ボディ構造は総カーボンファイバー製で、ルーフや下部構造、ルーフのシュノーケル、エンジン吸気用ダクトに加え、P1のハイパフォーマンス・ハイブリッド・パワートレインに不可欠なバッテリーとパワーエレクトロニクスのハウジングまで、すべて『モノケージ』と呼ばれる構造に一体化したのだ。
この構造全体の車重はわずか90kgで、スーパーカー・エンジニアリングとパッケージングの傑作だった。電動化において重量の妥協が不可避ではないこと、真に軽量なアルティメット・スーパーカーのパフォーマンスに電動化が重要な役割を果たせることを、世界に証明してみせた。

マクラーレン720S(2017年)
720Sでは、カーボンファイバー製ストラクチャーの『モノケージII』が導入された。これは現在のマクラーレン750sでも使われており、先代のモノセルから剛性がさらに高まり、重量も削減された。この軽量なストラクチャーにはパッセンジャー・セル全体が含まれ、カーボンファイバー製タブと、これもカーボンファイバー製のアッパー・ストラクチャーが一体化されて、軽量という特徴が一段と強化されている。シリーズ生産スーパーカーのカーボンモノコック技術がこのように大きく前進したことによって、数々の賞を獲得したパフォーマンスとダイナミクスが実現しただけでなく、人間工学、視界、デザイン面も大幅に向上した。
モノケージIIはルーフピラーが驚くほどスリムなため、フロントウィンドウからの視界が抜群だ。キャブフォワードのコクピットの後方寄りにBピラーが配置されていることも相まって、広々とした開放感も獲得。また、モノケージIIのサイドシルは、乗降性を高めるため、乗員の足の位置に向けて下がっている。ドラマチックなダブルスキンのディへドラル・ドアは、ルーフの一部と共に前方かつ上方に開く。このカーボンセルによって、最大のパフォーマンスを発揮でき、乗降もしやすいスーパーカーが実現したのだ。
720Sと、続く750Sのスパイダーバージョンでは、専用のカーボンファイバー製アッパーリア・ストラクチャーが導入された。これによって、モノセルで実現したアドバンテージと同様に、強度の引き上げや補強材は不要になり、最小限の重量増加だけで刺激的なダイナミクスが確保された。










