【祝クラウン生誕70周年】昔のクラウンはもっとクラウンらしかった!

公開 : 2025.04.04 11:45

9代目(1991〜1995年/通称14クラウン)失敗作と言われることもあるが隠れた名車

9代目クラウンの評価は非常に難しい。それは先代モデルとは明らかに異なるアピアランスを採用しており、乗り味もまた異なるテイストとなっているからだ。

タネ明かしをすれば、同時期にデビューしたクラウン・マジェスタがクラウンの上級車種として君臨し、クラウン、とくにロイヤルシリーズは存在意義を問われ、開発コンセプトをゼロからスタートさせることとなったからである。

9代目トヨタ・クラウン 4ドアハードトップ ロイヤルサルーンG
9代目トヨタ・クラウン 4ドアハードトップ ロイヤルサルーンG    トヨタ自動車

それはまるで後に紹介する12代目クラウン(通称ゼロクラウン)のように、である。ちなみにここで言う9代目クラウンは4ドアハードトップのことで、セダンやワゴン/バンについては先代モデルの13クラウンをマイナーチェンジする形で販売を継続した。

メカニズム面で特筆したいのは、クラウンは先代同様のフルフレーム構造、これに対して、マジェスタはモノコック構造とボディの基本構造を分けたことだ。それぞれに善し悪しはあるが、「クラウンらしい乗り味とは何か?」を考え抜いた末の大きな決断であったことは想像に難くない。

筆者が驚いたのは、走りの素晴らしさだ。特にスポーティモデルの『ロイヤルツーリング』は俊足で、まるで本格的なスポーツセダンのようにワインディングロードを速めのペースで走り込んでも非常に安心感が高かった。ボディ剛性や足回りの剛性の高さも目を見張るものがあった。

新設計の5速ATも非常に賢く変速した。タイヤのチョイスも素晴らしく、ここまで走りにこだわったクラウンはそれまでなかった。だからといってクラウンがクラウンらしくなくなったわけではなく、独自の安心感や安堵感、高級感はそのままであったのだから、大したもの。まさに隠れたクラウンの名車である。

10代目クラウン(1995〜2001年/通称15クラウン)『美しく、走る。日本のクラウン。』

スタイルは先代の14クラウンと比べてずいぶんとスッキリした印象。フルモノコック構造のボディを採用して、先代比100kg以上の軽量化も行った。エンジンは従来のM型に代わり3.0L直列6気筒が2JZ-GE型に、2.5L直列6気筒が1JZ-GE型に進化した。

バブル経済が崩壊してコスト削減のためと言ってしまえばそれまでだが、エアサスペンションは廃止された。また、4輪駆動車が登場したことはクラウンにとってトピックと言えるだろう。

10代目トヨタ・クラウン 4ドアハードトップ ロイヤルサルーンG
10代目トヨタ・クラウン 4ドアハードトップ ロイヤルサルーンG    トヨタ自動車

デザインの巧さはまさにこのクラウンの真骨頂だ。14クラウンでの反省から(マイナーチェンジで随分と変わったが)、端正で高級感のある、わかりやすいデザインとなった。

軽量化の効果は絶大で、動力性能、ハンドリング、ブレーキ性能など、どれも満足できるものとなっていた。エアサスペンションがなくとも、クラウンらしい優雅で上品な乗り味が出せることも示してみせた。

1997年8月に行われたマイナーチェンジでは、衝突安全ボディ『GOA』やSRSサイドエアバッグを採用、VSC(横滑り防止機構)などで安全装備を充実させた。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    木原寛明

    Hiroaki Kihara

    1965年生まれ。玉川大学では体育会ノリの自動車工学研究部に所属し、まだ未舗装だった峠道を走りまくった。最初の愛車(本当は父のもの)は2代目プレリュード(5MT)。次がフルチューンのランサーEXターボ。卒業してレースの世界へと足を踏み入れたものの、フォーミュラまで乗って都合3年で挫折。26歳で自動車雑誌の編集部の門を叩き、紙時代の『AUTOCAR JAPAN』を経て、気が付けばこの業界に30年以上。そろそろオーバーホールが必要なお年頃ですが頑張ります!

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