【祝クラウン生誕70周年】昔のクラウンはもっとクラウンらしかった!

公開 : 2025.04.04 11:45

13代目クラウン(2008〜2012年/通称200系クラウン)『ゼロクラウン』の正常進化版。かゆいところに手が届く

ゼロクラウンでクラウン生誕50周年を迎えたトヨタ。結果的に大成功だったモデルの後継は創るのが難しいと言われている。

だが、トヨタは攻めの姿勢で13代目クラウンを送り出した。外観はゼロクラウンのイメージを残しつつも、よりシャープで曲線的なデザインとし、ハイブリッド車をデビューさせるなど、大きな刷新をやり遂げた。

13代目トヨタ・クラウン ロイヤルサルーンG
13代目トヨタ・クラウン ロイヤルサルーンG    トヨタ自動車

ゼロクラウンで一部のユーザーから指摘された乗り心地の固さも改善し、静粛性にもさらに磨きを掛けた。先代で選べた『マークレビンソン』の超高級オーディオがオプションで選択できなくなった(レクサスとの関係があった)代わりに、トヨタ・ブランドながら『音のよい』オーディオを開発した。

また、プラットフォーム自体はキャリーオーバーながら、様々な電子制御デバイスの応答性がよくなるようにCANの設計を進化させたりしていた。結果的に快適性・安全性は高まった。いまの時代にこの世代のクラウンに乗っても、「ああ乗り心地のいいクルマだな」と感じることができる。

その一方で、3.5Lのハイブリッド車に関しては、回生ブレーキの不自然なフィールや、思ったほど燃費がよくないことなど不満もあった。ゼロクラウンで感じたわずかな不満を重箱の隅をつつくように、あるいはかゆいところに手が届くように改善した点は褒められるが、どのモデルを選ぶかによって評価が変わるというのは、よろしくない点である。もっとも、年次改良やマイナーチェンジでその不満は最終的にはほとんど感じられなくなっている。

14代目クラウン(2012~2018年/通称210系クラウン)『クラウンらしいクラウン』の最終形

先代モデルからプラットフォームをキャリーオーバーしながらもエクステリアのイメージを刷新し、大型のグリルにクラウンの『王冠』マークを目立つように配置した14代目。インテリアでは『トヨタマルチオペレーションタッチ』が採用され、エアコンやドライブモードセレクトなどをここで操作できるようになった。

また、安全装備では新型プリクラッシュセーフティシステムやシフト誤操作や急発進などによる事故を未然に防ぐ、『ドライブスタートコントロール』などを新採用した。

14代目トヨタ・クラウン ロイヤルサルーンG
14代目トヨタ・クラウン ロイヤルサルーンG    トヨタ自動車

モデル構成は廉価版の『ロイヤル』(ロイヤルサルーンではない)と、『ロイヤルサルーン』シリーズ、『アスリート』シリーズで構成される。パワートレインは3.0Lモデルを廃止し、最上級モデルの『ロイヤルサルーンG』も2.5L化。『アスリート』シリーズには3.5Lエンジンも搭載された。

ハイブリッド車は従来モデルは独立したシリーズであったが、このモデルではロイヤルサルーン・シリーズ、アスリート・シリーズでハイブリッドエンジンを選べるように変わった。

乗り味は往年のクラウンそのものである。より子細にいえば、ゼロクラウンで骨太になり、次の世代で優しくなったところに、『洗練』が色濃くなった。『重厚感』も加わったといえるだろう。ハイブリッド車は3.5Lから2.5Lにダウンサイジングされたおかげで、燃費性能を14.0km/Lから23.2km/Lに大幅に改善することもできた。

シャシーがよくなったせいか、2.5Lの自然吸気エンジンでは高速道路の加速などで若干の物足りなさを覚える場面もあるが、ロイヤルで約400万円という価格設定は、このクルマの存在感やクオリティの高さ、満足感などを勘案すれば大いにバーゲンプライスと言えるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    木原寛明

    Hiroaki Kihara

    1965年生まれ。玉川大学では体育会ノリの自動車工学研究部に所属し、まだ未舗装だった峠道を走りまくった。最初の愛車(本当は父のもの)は2代目プレリュード(5MT)。次がフルチューンのランサーEXターボ。卒業してレースの世界へと足を踏み入れたものの、フォーミュラまで乗って都合3年で挫折。26歳で自動車雑誌の編集部の門を叩き、紙時代の『AUTOCAR JAPAN』を経て、気が付けばこの業界に30年以上。そろそろオーバーホールが必要なお年頃ですが頑張ります!

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