【スーパーカー超王が斬る】EQS 680 SUVは3トン超えのヘビー級!658ps&955NmのBEVが演出するメルセデス・マイバッハ流の走りとは?

公開 : 2025.05.28 11:45

メルセデス・ベンツのトップラグジュアリーブランド『メルセデス・マイバッハ』の中でも先進的BEVのパワートレインを持つ『EQS 680 SUV』は、特に注目の存在です。車重3トン超えのヘビー級SUVをスーパーカー超王こと、山崎元裕が試乗します。

価格2790万円に相当する十分な価値

メルセデス・ベンツのトップラグジュアリーブランドとしてその名を知られる『メルセデス・マイバッハ』。その中でも特に注目できる存在といえるのは、先進的なBEVのパワートレインを持つ『EQS 680 SUV』ではないだろうか。

結論から書いてしまうのならば、やはりその魅力はオプション装備を除く車両本体価格で2790万円というプライスに相当する、十分な価値を感じるものだった。

メルセデス・マイバッハでは初となるBEVのパワートレインを持つ『EQS 680 SUV』。
メルセデス・マイバッハでは初となるBEVのパワートレインを持つ『EQS 680 SUV』。    平井大介

まずは一瞬のファーストコンタクトで、その特徴と作り込みの素晴らしさが感じられるエクステリアの印象から報告しよう。

全長5135mm、全幅2035mm、全高1725mmというスリーサイズは、確かに第一印象ではその大きさが強いインパクトを与えるが、それは同時にインテリアに広がる居住空間の広さを想像させる。

3210mmのホイールベースもフットワークの力強さを演出するが、反面市街地などでの小回り性に不安を持つカスタマーには、4輪操舵の採用で、低速域では小型車並みの扱いやすさを持つことを報告しておきたい。

ボディデザインはスムーズの一語に尽き、ダミーのフロントグリルやエアインテークなども高級感のある仕上がり。前後4枚のドアは軽い力でもドアを確実に閉めることができるクロージングサポーターや、ディスプレイ操作でドア開閉を可能とする電動コンフォートドアの採用など、快適性が大いに高められている。

さすがはメルセデス・マイバッハの作

インテリアのフィニッシュは、さすがメルセデス・マイバッハの作である。

ドライバーズシートに身を委ねてまず驚かされるのは、メーターパネルの部分から、その左右にまで連続するMBUXハイパースクリーン。

メーターパネルの部分から、その左右にまで連続するMBUXハイパースクリーンが特徴的。
メーターパネルの部分から、その左右にまで連続するMBUXハイパースクリーンが特徴的。    メルセデス・ベンツ日本

このEQS 680 SUVは、スタンダードではキャビンには6人分の高級で乗り心地の良いシートがレイアウトされるが、今回の試乗車ではオプションのファーストクラスパッケージが選択されていたため、乗車定員は4名。後席は左右に完全に独立したデザインとなり、その間にはテーブルなどが格納された実用的なセンターコンソールが備わる。

バッテリー容量は118.0kWh。これはフロア下に搭載され、その結果外観から想像する以上の低重心化が実現している。それはいくつかのコーナーをクリアしていけば、じっさいの感覚として自然に理解していけるところだろ。

ちなみにこのモデルの一充電あたりの走行距離は、WLTCモードで640km。その走行距離の長さもまた、SUVとしての活動範囲を広げるうえで大きな魅力となる。充電方式はAC 200Vの普通充電と、DC(CHAdeMO)の急速充電の両方に対応することを付け加えておく。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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