注目モデル目白押し!日本最大級の模型展示会『静岡ホビーショー』【長尾循の古今東西モデルカーよもやま話:第7回】

公開 : 2025.05.28 17:05

元モデル・カーズおよびカー・マガジン編集長である長尾循による、古今東西モデルカーにまつわるよもやま話です。第7回は、日本最大級の模型展示会『第63回静岡ホビーショー』雑感です。

日本が世界に誇る模型ブランドが一堂に会する

静岡模型教材協同組合加盟9社により1959年に開催された、『第1回生産者見本市』をその起源とする『静岡ホビーショー』。

これはプラモデルやミニカー、RCモデル、鉄道模型など、日本が世界に誇る模型ブランドが一堂に会する日本最大級の模型展示会で、毎年5月に開催されています。

5月14日から18日にかけツインメッセ静岡で開催された第63回静岡ホビーショー。
5月14日から18日にかけツインメッセ静岡で開催された第63回静岡ホビーショー。    長尾循

モデル好き、クルマ好きにとっても注目の『第63回静岡ホビーショー』が、今年も5月14日から18日にかけツインメッセ静岡で盛大に開催されました。14、15日は業者招待日&プレスデイ、16日は静岡県内から約3700名の児童、生徒が見学に来る小・中・高校生招待日。そして17、18日が一般公開日という日程。

コロナ禍が明けて以降のホビーショーは、国内はもとより海外からのバイヤーや模型ファンも多く訪れ、会場内ではさまざまな言語が飛び交います。近年のホビーショーは会場キャパシティの問題もあり、入場するのに事前登録が必要となっていますが、今回も多くの事前登録申し込みがあり、一般公開日は早々に定員オーバーとなり受付を終了するという盛況ぶりでした。

タミヤ・ブースで事前予告なしのサプライズ発表

模型全般の見本市ですので、会場内には艦船や飛行機、鉄道模型にモデルガン、戦車から美少女フィギュアまであらゆるジャンルの模型が展示されますが、ここではクルマのモデルに絞ってご紹介します。

まずは静岡を代表する模型メーカーにして世界的に有名な『タミヤ』。そのブースで事前予告なしのサプライズ発表で大きな注目を集めていたのはホンダの新型プレリュードです。発売間近の実車と共に展示されたのは、1/24スケールのプラモデルでした。

タミヤがサプライズ発表した新型ホンダ・プレリュードの1/24プラモデル。
タミヤがサプライズ発表した新型ホンダ・プレリュードの1/24プラモデル。    長尾循

テールゲートは開閉可能となっており、そのラゲッジルームに収まるカバンやゴルフバッグといったオマケのアクセサリーパーツが付属する遊び心が楽しいです。この新型プレリュードのリリースに合わせ、タミヤからは2代目プレリュードの1/24キットのリニューアル再販もアナウンスされました。

この新型プレリュードはトミカやホビージャパンからもミニカーの試作モデルが発表されるなど、他のメーカーからも次々にモデル化がアナウンスされています。

オジサン世代を狙い撃ち

『アオシマ』や『ハセガワ』も静岡を拠点とするプラモデルメーカーとしてよく知られた存在です。近年のアオシマは『楽プラ』という愛称で、『接着剤不要、塗装不要』を謳った1/32スケールの簡便かつリアルなカーモデルを精力的に展開しており、これまでプラモデル工作を敬遠していたビギナーなど、新たなユーザーの獲得に成功してきました。

これまでのラインナップは新旧のフェアレディZGT-Rトヨタ2000GTや86といった国産スポーツカーが中心でしたが、今回のショーではシリーズ初の欧州産ヒストリックカーとなる1955年式フォルクスワーゲン1200(オーバルウィンドウ)を発表し、オジサン世代を狙い撃ちです。

近年のアオシマは接着剤不要、塗装不要を謳った『楽プラ』を精力的に展開。
近年のアオシマは接着剤不要、塗装不要を謳った『楽プラ』を精力的に展開。    長尾循

一方のハセガワのブースでは、R30スカイラインのターボRSの試作モデルが展示されました。ハセガワは1/24で精力的に内外のヒストリックカーをリリースしていますが、今まであまりキットに恵まれてこなかったヤングタイマー世代の車種を数多くラインナップすることで、若いファンからも大きな支持を集めています。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    長尾循

    Jun Nagao

    1962年生まれ。企画室ネコ時代を知る最後の世代としてモデル・カーズとカー・マガジンの編集に携わったのち定年退職。子供の頃からの夢「クルマと模型で遊んで暮らす人生」を目指し(既に実践中か?)今なおフリーランスとして仕事に追われる日々。1985年に買ったスーパーセブンにいまだに乗り続けている進歩のない人。
  • 平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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