【第9回】サイトウサトシのタイヤノハナシ~オールシーズンタイヤ、進化の歴史~

公開 : 2025.06.18 17:05

悶絶レベルの新性能

そして今年、衝撃的なタイヤが登場します。ダンロップのオールシーズンタイヤ『シンクロウェザー』です。

雨をトリガーにコンパウンドが柔軟になり、かつ寒さに対応するゴムの柔軟性を備えているのです。冬性能は、スノーフレークマークよりもさらに厳しい寒さでも性能を発揮する『アイスグリップマーク』を取得。不安なく雪道を走れるくらいの冬道性能を持っています。

『スノーフレークマーク』や『アイスグリップマーク』は、冬道での性能の指標。
『スノーフレークマーク』や『アイスグリップマーク』は、冬道での性能の指標。    斎藤聡

実は、このタイヤを理解するには、文系(体育会系?)脳のボクにはハードルが高く、昔読んだタイヤの専門書を読み直したり、ネットで参考になりそうな資料を検索したり、タイヤに使われるポリマー(≒ゴム)の低温特性やその配合などを調べながら、知恵熱が出そうなくらい悶絶しました。で、その結果、分子式が夢にまで出てきたというわけです。

アイスグリップマークは、コンチネンタルのオールシーズンタイヤ『オールシーズンコンタクト2』も取得しており、いよいよオールシーズンタイヤの雪性能戦争が始まる予感。

日本の冬道を考えた時、降雪地域や厳寒地域はスタッドレス一択だと思いますが、それ以外の地域の人にとって、オールシーズンタイヤはさらに魅力的になっているように思います。

もちろん、操縦性に魅力のあるクルマにはやはりサマータイヤを装着したいでしょうし、コンフォート系タイヤも同様だと思います。

また車重が重くて極低速トルクがぶ厚いEVとのマッチングなど、問題は様々あり、すべてのタイヤがオールシーズンにとって代わるようなことは、しばらくの間はないと思います。ですが、日本でもオールシーズンタイヤというカテゴリーが安定しつつあることは、間違いありません。今後の進化に、ますます期待したいです。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    斎藤聡

    1961年生まれ。学生時代に自動車雑誌アルバイト漬けの毎日を過ごしたのち、自動車雑誌編集部を経てモータージャーナリストとして独立。クルマを操ることの面白さを知り、以来研鑽の日々。守備範囲はEVから1000馬力オバーのチューニングカーまで。クルマを走らせるうちにタイヤの重要性を痛感。積極的にタイヤの試乗を行っている。その一方、某メーカー系ドライビングスクールインストラクターとしての経験は都合30年ほど。

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