【暖冬でも増すスタッドレスの重要性】横浜ゴム・アイスガード7、歴代最高の氷上パフォーマンスと安心感は健在!

公開 : 2025.02.04 06:05

スタッドレスタイヤを選ぶとしたらどの銘柄を選べばいいのでしょうか? ここでは吉田拓生がひとつの答えとして、昨年の初め、北海道・旭川で改めて試乗した横浜ゴムの『アイスガード7』をご紹介。その印象を語ります。

暖冬でも増すばかり、スタッドレスの重要性

太平洋側の地域における年末年始は晴れの天気が続くが、2月に入ると不安定になってくる。非降雪地域の住人が「冬タイヤを付けておけばよかった!」と思うのはそんな時だろう。暖冬だから心配がないのではなく、不安定な気象状況になってきている近年だからこそ、急な降雪に出くわすこともあるのだ。

では今日、スタッドレスタイヤを選ぶとしたらどの銘柄がいいか? 試乗した中で印象に残っているのは横浜ゴムの『アイスガード7』(以下iG70)である。2021年にデビューした際はもちろん、昨年の初め北海道・旭川にある北海道タイヤテストセンターにおいて改めて試乗した際も、同社が標榜する『よりちゃんと曲がる。よりちゃんと止まる』をしっかりと体験できたからだ。

昨年の初め北海道で横浜ゴム『アイスガード7』を装着する車両に試乗。写真はBMW X1。
昨年の初め北海道で横浜ゴム『アイスガード7』を装着する車両に試乗。写真はBMW X1。    横浜ゴム

今回の試乗車はBMW X1やBEVのiX1、トヨタRAV4といったメジャーなSUVモデルや、FR車代表として日産フェアレディZ、さらには2023年に追加されたサイズのアイスガードSUV G075を体感するためハイエースも用意されていたのである。

今回特に興味深かったのはX1とiX1でICEとBEVのハンドリング特性の違いを、またRAV4を2台使ってiG7とSUV用のアイスガードSUVG075の特性の違いを同サイズで比較することができた点である。

4シーズン目でも健在、3つの特性

4シーズン目を迎えた横浜ゴムのiG7についておさらいをしておこう。その特徴は『氷に効く、永く効く、雪に効く』というキャッチコピーが端的に表していると思う。

氷を確実に捉えるための技術的な要となっているのは『ウルトラ吸水ゴム』と呼ばれる、吸水性能が従来のものに比べて7%アップしているコンパウンド。氷の上の水幕を新マイクロ吸水バルーンに加え、新たに採用された吸水スーパーゲルが瞬時に除去してくれる。それと同時に、アイスガード史上最大の接地面積と高いブロック剛性も水幕の除去を助ける結果になっているのだ。

iG7の特徴は、『氷に効く、永く効く、雪に効く』というキャッチコピーが端的に表している。
iG7の特徴は、『氷に効く、永く効く、雪に効く』というキャッチコピーが端的に表している。    横浜ゴム

永く効くという耐久性の部分は、オレンジオイルSが使われていることで時間が経ってもゴムが硬くなりにくくなっている。また摩耗してもウインターの性能を保てるという部分は、50%摩耗時に溝が拡大するクワトロピラミッドグロウンサイプによって実現している。

雪に効く部分は、左右非対称のトレッドパターンを採用したことによるエッジ量の増加が性能アップの最大の要因。ぱっと見スポーツタイヤのように攻撃的で、はっきりとしたiG70の非対称トレッドパターンは見掛け倒しではないのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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