歯止めがかからない英国の自動車盗難 法律も「犯罪を阻止できない」

公開 : 2025.06.23 06:45

警察内部の連携不足も指摘

別の車両追跡会社、イン・トラック(Inn Track)社の捜査サービス担当ディレクターを務めるニール・トーマス氏は、警察内部での協力不足も新法の有効性を損なう要因になると考えている。

元警視正でもあるトーマス氏は、「管轄区域を越えた捜査は非常に困難で、車両が別の警察管内に入ってしまった場合、回収を徹底することが難しくなります」と話す。

英国ではレンジローバーなどの高級車が狙われやすいという。
英国ではレンジローバーなどの高級車が狙われやすいという。

「最近、エセックス州スタンステッド空港の駐車場から、メルセデス・ベンツCLAが盗まれたという通報がありました。わたし達は車両を追跡し、『クールダウン』のために駐車されていた通りまで辿り着きました。クールダウンの間、盗んだ犯人は追跡されているかどうかを確認しているのです」

「車両はエセックス警察管内で盗まれましたが、発見されたのはロンドン警視庁管内でした。ロンドン警視庁はわたし達に、エセックス警察と連絡を取るよう指示しました。エセックス警察は、ロンドン警視庁に車両の鑑識を行うかどうかを確認する必要があるとのことでした。ロンドン警視庁は鑑識を拒否し、車両は返還されました。重要なのは、このやりとりの中で車両を詳しく調べる貴重な機会が失われ、どのように盗まれたのか経緯を明らかにできないということです」

ロンドン警視庁の広報担当者はこの件についてコメントを控えたが、近隣の警察機関や地域組織犯罪対策ユニットとの間で長期的な連携体制が整っていると述べた。

記事に関わった人々

  • ジョン・エバンス

    John Evans

    役職:特派員
    フリーランスのジャーナリストで、AUTOCAR英国編集部の元スタッフ。姉妹誌『What Car?』誌の副編集長や『Practical Caravan誌』の編集長なども歴任した。元自動車ディーラーの営業マンという経験を活かし、新車・中古車市場や消費者問題について幅広く取り扱っている。近年は、これらのニュースや特集記事に加え、アイスクリーム・ワゴンのDIY方法から放置車両の探索まで、さまざまな記事を寄稿している。
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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