英警察「傷ついたフェラーリ」を保護、約30年前の盗難車と判明! 日本にも一時流入? 犯人は逃走中

公開 : 2024.03.06 06:05

1995年4月に盗まれたフェラーリ512Mが英国で発見された。国外に輸出される寸前でフェラーリが気づき、警察に通報。無事に回収されたが、犯人は捕まっていない。車両は一時期、日本にも運ばれていたという。

輸出寸前にフェラーリが気づいた F1ドライバーの盗難車

約30年前に行方不明となったフェラーリ512Mが英国で見つかり、ロンドン警視庁によって回収された。

このフェラーリ512Mは、F1ドライバーのゲルハルト・ベルガー氏が所有していた車両だ。1995年4月のサンマリノGP後、宿泊していたホテルの駐車場で盗難に遭い、捜索願が出された。盗難後まもなく日本に輸送されたと見られている。

ロンドン警視庁が英国で回収したフェラーリ512M
ロンドン警視庁が英国で回収したフェラーリ512M    ロンドン警視庁

その後行方がわからなくなっていたが、今年1月にフェラーリが英国内で発見し、ロンドン警視庁に通報した。フェラーリは米国に拠点を置くバイヤーから512Mの点検を依頼され、チェックしたところ盗難車であることが判明したという。

フェラーリの通報がなければ米国に輸出されていただろう。ロンドン警視庁の組織犯罪課が512Mの輸出阻止に動き、車両は無事に回収された。しかし、逮捕者はまだ出ておらず、捜査が続いている。

捜査主任のマイク・ピルビーム巡査は、事件関係者の協力に感謝し、次のように述べた。

「捜査は骨の折れるもので、世界中の当局に連絡を取りました。国家犯罪捜査局だけでなく、フェラーリや国際的な自動車ディーラーなどとも迅速に協力し、捜査に当たりました。こうした協力により、車両の背景を理解し、国外流出を阻止することができました」

ロンドン警視庁が公開した画像を見ると、盗難当時とは異なるアフターマーケット品(後付け)のアルミホイールとステアリングホイールが装着されていることがわかる。ダッシュボードのトリムも一部欠けているなど、荒い扱い方をされてきたようだ。

なお、ベルガー氏のチームメイトであるジャン・アレジ氏も同時にフェラーリ355を盗まれたが、こちらはまだ発見されていない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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