VW、新製品「ソーセージ」を独スーパーマーケットで発売へ 収益改善に期待

公開 : 2025.06.03 07:45

フォルクスワーゲンの人気ソーセージ『カリーヴルスト』が、電子レンジで調理できるレトルト食品としてドイツ国内のスーパーマーケットで発売されました。単なるPR目的ではなく、売上高への大きな期待も込められています。

レトルト食品として新発売

フォルクスワーゲンは、ベストセラー製品の新バージョンを発売した。売上高を飛躍的に高める可能性を秘めているが、クルマとはまったく関係のない製品だ。

経験豊富な自動車アナリストでさえも驚くような話だが、フォルクスワーゲンの最重要製品の1つは、クルマでも部品でもなく、伝統的なドイツのソーセージ『カリーヴルスト(currywurst)』だ。

ヴォルフスブルク工場と新製品『カリーヴルスト・ウィズ・ケチャップ(Currywurst with ketchup)』
ヴォルフスブルク工場と新製品『カリーヴルスト・ウィズ・ケチャップ(Currywurst with ketchup)』    フォルクスワーゲン

世界第2位の自動車メーカーである同社は、加工肉事業でも大手であり、その名物カリーヴルストが、ドイツのスーパーマーケットの惣菜売り場に並ぶことになった。

このソーセージは1973年にヴォルフスブルクの自社精肉工場で初めて焼き上げられ、当初はフォルクスワーゲンの社員食堂で提供されていた。しかし、すぐに社外にも販売されるようになり、ドイツ国民の間で瞬く間に人気商品となった。

2024年だけでも860万本近くのカリーヴルストが販売され、フォルクスワーゲンブランドの乗用車および商用車の520万台を軽々と上回った。フォルクスワーゲン・グループの全ブランド(903万台)を合わせても、僅差で2位に続いている。

2025年6月からは、電子レンジで調理できるレトルト食品として、ドイツ北部および東部のEdekaやNettoなどのスーパーマーケットで販売される。全国展開も計画されているとのことだ。

一般的な電子レンジ用カリーヴルストは2000年代初頭から販売されているが、フォルクスワーゲンのカリーヴルストは工場直送で鮮度が売りだ。トマトソース用のカレー粉の袋が入っていないのは、「ソーセージとソースに十分なカレーが入っているから」だと、フォルクスワーゲンの社内食肉部門責任者であるディートマール・シュルツ氏は説明する。

カリーヴルストは単なるPR目的の商品ではなく、立派なビジネスとして成り立っている。フォルクスワーゲンの年次報告書にはソーセージの具体的な売上は記載されていないが、加工肉事業で年間7桁ユーロ(数億円)の売上を計上していると推定される。

カリーヴルストには、フォルクスワーゲンの公式部品番号「199 398 500 A」が付けられている。

何十年にもわたり、カリーヴルストはフォルクスワーゲンの歴史の一部となっている。以前、ある工場の社員食堂でソーセージをベジタリアン向けの代替品に置き換えようとしたところ、激しい反発が巻き起こった。「フォルクスワーゲンのソーセージがなくなる? そんなのありえない!」という声が飛び交ったという。

フォルクスワーゲンは、新しい電子レンジ対応バージョンでしっかりとした味付けを保ちつつ、さらなる販売拡大を目指している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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