三菱自動車の社長が4月1日付けで交代 加藤CEO&岸浦COOで役割分担 「舵取りはふたりでやっていく」
公開 : 2026.01.23 07:45
1月21日、三菱は人事異動を発表。4月1日付けで加藤隆雄氏が『代表執行役CEO』となり、新たに岸浦恵介氏が『代表執行役社長兼COO』に就任します。発表翌日開催された記者会見を取材した編集部ヒライのレポートです。
海外経験豊富な経営畑を渡り歩いた人物
1月21日、三菱自動車工業(以下、三菱)は人事異動を発表。4月1日付けで加藤隆雄氏が『代表執行役社長兼最高経営責任者』から『代表執行役CEO』に異動となり、新たに岸浦恵介氏が『代表執行役社長兼COO』に就任する。
こちらは同日開催の取締役会で決議されたもので、6月開催予定の定時株主総会後の取締役会で正式決定する。

新任の岸浦氏は1969年生まれで、1993年4月に三菱入社。人事本部、CSR推進本部、タイ派遣、EV海外推進部、海外アフターセールス、オランダ派遣などを経て、2023年3月には米州本部長に就任。2025年4月に執行役員コーポレート企画本部長の現職となった、海外経験豊富な経営畑を渡り歩いた人物だ。
異動の理由は、『経営体制の刷新および経営執行責任の明確化を通じて、経営基盤の強化を図るため』とされた。
海外の10年間は約40ヵ国でビジネスに従事
発表翌日となる1月22日には、加藤氏、岸浦氏による挨拶を兼ねたメディア向け説明会が都内で開催された。
冒頭、加藤氏が世界情勢およびAI、SDVなど新技術への対応、そして世代交代の必要性から今回の人事異動を決定したと説明。自身は株主総会後、取締役会長に就任予定であることも語られた。

新社長となる岸浦氏は4月から心がけたいこととして、『誠実を旨とする』、『経営判断、実行のさらなるスピードアップ』、『世界中の三菱社員とビジネスパートナーと、力を合わせて挑戦する』という3点を挙げた。
岸浦氏は32年に渡るキャリアの中で、特に海外業務の10年間では約40ヵ国でのビジネスに従事したと説明。それを通じて感じた三菱の強みは、品質(ジャパン・クオリティ)の高さに対する信頼と評価だった。
そこで取り組みたいのは、三菱らしいクルマの継続的な開発とブランド強化であり、ASEAN地域での強固な販売基盤を元に、攻勢をかけることだという。経営課題のひとつである米国の追加関税は、15%に落ち着いたことで『対応可能なレベル』としている。
岸浦氏は2020年の構造改革を加藤氏の元で取り組み、現在は「地力がついてきた」と自信を見せる。中国メーカーなどとの厳しい競争に対しては、「1段も2段も地力を上げていきたい」と意欲を示した。
親分肌でリーダーシップを発揮できる
質疑応答では、加藤氏が岸浦氏を「親分肌で指示がしっかりとでき、リーダーシップを発揮できる」と評した。また、世代交代することで『新しい視点』での采配も期待しているという。
続いて岸浦氏の好きな言葉が『気合いと根性』であることが、記者から指摘された。それに対して「広報からは言わないように言われていたのですが」と苦笑しながら、論理的なチャレンジを重ねた先に、最後のひと踏ん張りをする上での気合いと根性だと解説した。

加藤氏も「私も気合いと根性の人です(笑)」とユーモアを交え、他のスタッフが諦める場面でも、「もうひと頑張りすれば、もっと売れるんです!」と粘った岸浦氏の人柄を披露。
また、加藤氏がCEO、岸浦氏がCOOであることの役割分担について、CEOは中長期方針、将来の方向性、各国での対応など『経営面』への特化、それに対しCOOは実務に直結する采配の『執行』がメインになると説明。
その上で「舵取りはふたりでやっていく」と力強く語った。つまり今回の人事異動は、世界各国市場における厳しい状況を、役割分担することで乗り切っていくための方策というわけだ。
ちなみに岸浦氏が初めて購入したクルマは、インタークーラーが着く前の『ランサー・ターボ1800』だったという。また、過去のキャリアの中では「何とか三菱を立て直すんだ」と踏ん張った時期もあったそうで、それを乗り切れたのは恐らく『気合いと根性』、そして『三菱への愛』なのであろう。
そんな人物による、愛ある舵取りに期待したい。













