ブガッティ・ヴェイロン級の加速力 ランボルギーニ・テメラリオ(2) 試乗車は「深呼吸を誘う」価格

公開 : 2026.01.22 18:10

ウラカンの後継、テメラリオ 800psのV8にトリプルモーター 入念に検討された運転姿勢 ブガッティ・ヴェイロンへ並ぶ加速力 自然吸気へ近いサウンド 先代比じゃないレスポンス UK編集部が試乗

内蔵が押し潰されんばかりの加速力

ランボルギーニテメラリオの動力性能は圧巻。カタログ値の0-100km/h加速は2.7秒だが、実際の計測では2.5秒で処理してみせた。格上のフェラーリSF90へ0.1秒差へ迫り、ブガッティ・ヴェイロン・スーパースポーツへ並ぶ。

160km/hまでの勢いは、内蔵が押し潰されんばかり。より軽いマクラーレンアルトゥーラより1.2秒も短時間で到達する。4速のまま48km/hから112km/hへ加速する時間は、フェラーリ296 GTBに届かなかったが、BMW M5と変わらない。

ランボルギーニ・テメラリオ・アレッジェリータ・パッケージ(英国仕様)
ランボルギーニ・テメラリオ・アレッジェリータ・パッケージ(英国仕様)

プラグイン・ハイブリッドだから、アクセルオン時には駆動用モーターが瞬間的にトルクを展開する。しかしV8エンジンは特徴豊かで、興奮を抑えきれないほど。

自然吸気ユニットのように、本領は6000rpmから。引っ張って楽しみたいところだが、2速で9900rpmまで回すと、140km/hに迫る。公道ですべてを開放できる時間は、極めて限られるだろう。最高出力は、9000rpm程度で得られるようだが。

自然吸気へ近いサウンド 瞬間的変速の8速AT

サウンドは、普段使いでも誇張感なく、自然吸気へ近いシリアスなシンフォニー。レーシングカーを彷彿とさせる。7000rpm以上では硬質に転じ、吸気音が壮大に共鳴する。変速タイミングを逃さないよう、タコメーターへ意識を配る必要があるほど。

ダナ・グラツィアーノ社製の8速デュアルクラッチATは、シフトアップ/ダウンともに瞬間的。だが、特定のドライブモードでの、強烈な変速ショックが気になった。濡れた路面では、若干シャシーが不安定になるほど。

ランボルギーニ・テメラリオ・アレッジェリータ・パッケージ(英国仕様)
ランボルギーニ・テメラリオ・アレッジェリータ・パッケージ(英国仕様)

ブレーキは、回生ブレーキを実装しつつ、制動力のリニアさに唸る。必要なだけ速度を絞れ、フィードバックはやや薄いが、ペダルの踏み心地もソリッドで頼もしい。ブリヂストン・ポテンザを履いた状態で、112-0km/hの制動距離は42.3mだった。

ウラカンの比ではないレスポンス

操縦性のバランスも素晴らしい。ただし、公道で許される速度の限り、繊細なコミュニケーション力までは感じにくい。僅かにアンダーステアで、車重の重さも滲ませる。

サーキットで積極的にコーナーへ飛び込めば、レスポンスの鋭さと、ライン取りの柔軟性がウラカンの比ではないことへ気付く。トルクベクタリング機能で、驚くほどの旋回速度も叶えている。若干人工的かもしれないが、常にシャシーは臨戦態勢にある。

出口では、ワンテンポ早いアクセルオンが促され、思い切れば後輪駆動のようにノーズを調整できる。オーバーステアへの移行も、極めて自然。フロントタイヤは、狙い通り向きを捉え続ける。総合920psの大パワーと相まって、エキサイティング極まりない。

ダブルウイッシュボーン・サスを支える、磁性流体ダンパーが生む快適性は、ソフトでもハードでも感動モノ。マンホールを通過しても鋭い入力はなく、凹凸でステアリングへ影響が出ることもない。フロントタイヤの幅が、255と控えめなことが効いている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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