ボルボ新型EV『EX60』世界初公開!(1) 航続距離810km、欧州で受注開始 『クロスカントリー』も

公開 : 2026.01.22 13:35

ボルボはミドルサイズの新型EV『EX60』を正式発表しました。『XC60』のフル電動版で、まったく新しい車体構造とパワートレイン、デザインを採用。欧州市場では約1200万円から受注を開始しています。

最重要モデルがついに登場

ボルボは1月21日、新型EV『EX60』を欧州で発表した。近年で最も重要なモデルとして画期的な新プラットフォームを導入し、最大810kmというクラス最高の航続距離を実現している。

新型EX60は、ボルボにとって4台目の専用設計EVであり、ラインナップの要となるミドルサイズの電動SUVである。このクラスの主な競合相手は、最近発表されたBMW iX3やメルセデス・ベンツGLC with EQテクノロジーだ。

欧州で発表されたボルボの新型『EX60』
欧州で発表されたボルボの新型『EX60』

欧州市場では受注を開始し、英国では9月より販売開始予定だ。英国価格は5万6850ポンド(約1210万円)から7万360ポンド(約1500万円)となっている。今春からスウェーデンの工場で生産する。

人気モデル『XC60』のEV版

EX60はボルボの新たなプラットフォーム『SPA3』を初めて採用したモデルであり、生産方式だけでなく、搭載される技術も従来とは大きく異なる。

長年のベストセラーである『XC60』のEV版という位置づけで、両モデルは並行して販売される。XC60は最近改良を受け、マイルドハイブリッドとプラグインハイブリッド(PHEV)が用意されている。これは大型モデルの『XC90』と『EX90』の関係性と同じだ。

欧州で発表されたボルボの新型『EX60』
欧州で発表されたボルボの新型『EX60』

ボルボのホーカン・サミュエルソンCEOは、ガソリン車について「必要とされる限り、一種の橋渡し的なソリューションとして市場に残していきます。なぜなら、ボルボはその分野ではあまり固執しないからです」と述べた。

「ボルボはEVへの全面移行については堅持しており、新プラットフォームはその基盤となります。(中略)お客様がプラグインハイブリッドを求めるなら、それも問題ありません。利益率が同等なので、ボルボは中立的な立場でいられます。『EX』に乗り換えても、『XC』に乗り続けても構いません」

新世代の軽量プラットフォーム『SPA3』

ボルボのEV専用プラットフォーム『SPA3』は、新しい構造、次世代モーター、そして先進のバッテリー技術を導入し、航続距離・コスト効率・走行性能・安全性を向上させている。BMWのノイエ・クラッセや、メルセデス・ベンツのMEAプラットフォームに相当するものだ。

高度にモジュール化されており、EX30(全長4.2m)からEX90(全長5.0m)までの幅広いサイズに対応可能だ。今後登場するボルボのEVに加え、親会社である吉利汽車グループ傘下の他ブランドにも採用される。

『EX60』は最新プラットフォームで性能を大幅に向上させた。
『EX60』は最新プラットフォームで性能を大幅に向上させた。    ボルボ

名称こそ似ているが、EX90に採用された『SPA2』とはまったく異なる。サミュエルソン氏はAUTOCARに対し、「SPA2とは大きく異なります。完全に新規開発であることを示す別の名称の方が良かったかもしれません」と語った。

SPA2との最大の相違点は、EV専用に設計されていることだ。サミュエルソン氏によれば、「一切妥協のない」構造を実現し、EX60は一部の性能において競合車を凌駕するという。

そのカギとなる要素の1つが、メガキャスティング方式の採用だ。これは車体構造の一部をダイカスト金型で一体成型する手法で、多数の部品を溶接やボルトで組み立てるのではなく、大型部品を単一ピースとして生産することができる。

ボルボは以前、この手法でSPA3のリアフロア部分を一体成型することで、約100個の小型部品を削減できると述べている。溶接部分が大幅に減少し、重量も約50%削減されるという。

バッテリー設計をセル・トゥ・ボディ方式へと移行した点も大きい。EVで一般的に床下に設置される「バッテリーボックス」を廃止し、セルを車体フレームに直接統合する設計だ。これにより軽量化、剛性向上、省スペース化を図り、さらに材料コストの削減と生産工程の効率化にもつなげようとしている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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