メルセデス・ベンツ大改良型『Sクラス』発表! 537psのフラットプレーン新V8搭載 過去最大のアップデート

公開 : 2026.01.30 17:05

多様化するライバルに対抗

過去数十年にわたり、Sクラスの直接的なライバルはアウディA8BMW 7シリーズレクサスLSなどごく少数に限られていた。しかし、近年ではさまざまなブランドが高級車セグメントに参入し、ライバルも多様化しつつある。

従来の高級セダンの購入層は、レンジローバーベントレーベンテイガといったSUVへ移行しつつある。レクサスLM、デンツァD9、ジーカー009といったVIP向けミニバンも、中国をはじめとするグローバル市場でシェアを奪い始めている。

改良型『Sクラス』
改良型『Sクラス』    メルセデス・ベンツ

こうした世界的な高級車需要の多様化に対応するため、メルセデス・ベンツは来年、新型ミニバン『VLS』を投入する。VLSは、昨年上海モーターショーで公開されたコンセプトカー『ビジョンV』を基に開発された新型『VLE』の上級バージョンとなる。

SUVでもテコ入れを図り、今後数か月以内に『GLS』の改良型を投入する。こちらはSクラスとほぼ同等の装備とデザイン要素を採用すると見られる。

また、昨年Sクラスの全世界販売台数の3分の1(中国では半数)を占めた最上級モデル、マイバッハSクラスの改良型も、数か月以内に発表される見込みだ。

主な改良点と新機能

ビジネス向けの機能

後部座席は「移動会議室」として機能する。13.1インチの大画面を操作するスマートフォン風リモコン、ワイヤレス急速充電器、冷蔵庫、温度調節可能なカップホルダーを装備。新しいHDウェブカメラでオンラインビデオ会議に参加可能だ。

旅客機のビジネスクラスを彷彿とさせる折りたたみ式テーブルも2つ備えている。

都会的な洗練性

改良型『Sクラス』
改良型『Sクラス』    メルセデス・ベンツ

エアサスペンションを標準装備し、オプションとして可変減衰ダンパー付きのEアクティブボディコントロールを設定。いずれも、クラウド経由で他のメルセデス・ベンツ車から道路情報を取得し、特に南欧や米国で多いとされる長いスピードバンプに備えダンパーを事前調整することができる。

リアアクスルステアリングは、後輪を標準で4.5度、オプションで最大10度まで切れるようになり、全長5.3mのロングホイールベース車の最小回転半径を1m短縮した。

スリーポインテッドスターの輝き

改良型Sクラスはメルセデス・ベンツの風格と威容を体現している。フロントグリルは20%拡大され、スリーポインテッドスターがあしらわれた。フロントエンド上部にあるエンブレムは、今回初めてイルミネーション付きとなった。ヘッドライトにも星のモチーフが採用されたほか、新開発のマイクロLED技術により照射範囲を40%拡大、さらに「ウルトラレンジハイビーム」設定では最長600m(サッカー場6面分)の照射距離を実現する。

次世代インフォテインメント

改良型Sクラスは、第4世代のMBUXインフォテインメントをメルセデス・ベンツとして初めて搭載する。マイクロソフトのビング(Bing)とグーグルのジェミニ(Gemini)のAI機能を内蔵し、「車両と全座席の乗員の関係を革新する」という。「ハイ、メルセデス」と呼びかけることで起動する音声アシスタントは短期記憶機能を獲得し、「友人と話すような複数ターンにわたる対話」が可能になったとされている。

操作性の改善

マルチファンクション・ステアリングホイールにおける最大の変更点は、「顧客の要望に応えて」物理的な操作ボタンが復活したことだ。クルーズコントロールとスピードリミッターの操作は小さなロッカースイッチに、音量調節はローラーに割り当てられている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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