3列シートSUV『プジョー5008』は各部にフランス車らしさあり ゆったりした走りのリズムに魅せられる!【森口将之が初乗り】

公開 : 2026.03.09 12:05

3列のシートSUV『プジョー5008』が、今年1月の東京オートサロンで初公開され、2月20日に発売開始となりました。フランス車に精通する森口将之が初試乗を通じて感じた、『フランス車らしさ』を解説します。

ホイールベースは3008から170mmプラス

4桁数字を車名とするプジョーは、いまではSUVということになっている。でも、かつてはそうではなかった。

1007は電動スライドドアを持つシティコミューターだったし、ここで紹介する5008の初代は、当時のシトロエンC4ピカソとプラットフォームやパワートレインを共有するミニバンだった。当時ミニバンは、背の高いボディ全般を指していた記憶がある。

2月20日に日本でも発売開始となった3代目『プジョー5008』。
2月20日に日本でも発売開始となった3代目『プジョー5008』。    山本佳吾

しかし3008と2008がSUVとして登場し、5008も2代目でその流れに乗るように、3008をストレッチした7人乗りになった。この判断はマーケット的にはマルだったようで、通算3代目となる新型も3列シートのSUVになっている。

そんな5008が今年1月の東京オートサロンで日本初公開され、2月20日に発売開始となった。

新型のボディサイズは全長4810mm、全幅1895mm、全高1735mmと、先代より170mm長く、55mm幅広く、85mm高くなっている。2900mmのホイールベースは60mm伸びた。

これを3008と比較すると、全幅は同じだが、全長は245mm、全高は70mm、ホイールベースは170mmプラスしている。先代5008と3008のホイールベースの差もこのぐらいだったが、長さと高さはここまで伸びてはいない。

キャビンに余裕を持たせるとともに、クーペSUVっぽくなった3008との性格分けを明確にしたいという意志が、全長と全高の大幅拡大から伝わってくる。

自然になったプロポーション

スタイリングは、フロントドアまでは3008とほぼ同じ。リアも高い位置に置かれたコンビランプ、その下のフラットなパネルなど、3008に近い。3008ではグラスエリアが小さく、腰高に感じたけれど、5008はバランスが取れている。

ボディサイドは、ルーフをリアまでほぼまっすぐに伸ばし、ルーフレールを加えつつ、サイドウインドウ上端のモール後端をスロープさせて、立ち気味のリアウインドウをカモフラージュしている。

3008よりホイールベースが170mm長い。フロントドアまでは共通で、後半が伸びている。
3008よりホイールベースが170mm長い。フロントドアまでは共通で、後半が伸びている。    山本佳吾

いずれも先代譲りのテクニックだが、リアオーバーハングが長くなったことで、プロポーションは自然になった。先代とは逆に、3008より5008のほうが、バランスが取れていると感じるほど。

個人的には5で始まるプジョーの先輩、504や505に用意されていたロングホイールベースの3列シートワゴンを思い出した。スマートなプロポーションだけでなく、この2台のホイールベースが2900mmだったためもある。

キャビンも前席まわりは3008と共通。相変わらずモダンでクールだ。2列目シートは4:2:4の3分割で、それぞれスライドとリクライニング、背もたれの前倒しができる。

2列目シートはやや座面が小ぶりに思えたものの、もちろんスペースは3008より広い。しかもドアは大きく開くので乗り降りしやすく、サイドウインドウが前後に長いので眺めも良いうえに、エアコンのコントローラーやロールアップ式サンシェードを用意するなど、装備も充実している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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