大賞はボルボ850好きの中学生! 中高生対象のカーデザイナー登竜門『第14回モビリティデザインコンテスト』表彰式

公開 : 2026.03.25 11:45

中高生を対象としたカーデザイナー登竜門ともいえるコンクール『モビリティデザインコンテスト』が今年も開催されました。第14回となる今回の大賞受賞者は、昨年も入賞した中学生の鈴村新太さんです。

モビリティデザイナーへの登竜門

公益社団法人自動車技術会は、3月23日、第14回モビリティデザインコンテストの表彰式を開催。大賞は鈴村新太さんの『TRYATH X(トライアス エックス)』が受賞した。

このコンテストは、日本の自動車産業の将来を担う、想像力豊かな人材の発掘と育成が目的。感受性豊かな時期の中高生世代を対象に、自分は何をやりたいのか、どんな仕事をしていきたいのかという将来を考え始めるタイミングで、何かを作り出すことの楽しさに気づき、想像することへの喜びを学べる場として開催。そして、世界をリードするモビリティデザイナーの誕生につなげたいという思いが込められている。

指導してもらった現役デザイナーとともに。入賞者は左から岩田さん、竹野さん、鈴村さん、會田さん、井上さん(田淵さんはご欠席)。
指導してもらった現役デザイナーとともに。入賞者は左から岩田さん、竹野さん、鈴村さん、會田さん、井上さん(田淵さんはご欠席)。    内田俊一

このコンテストの最大の特徴は、各メーカー等の現役デザイナーが審査員の中心になり、プロの目で評価していること。まさに、将来のカーデザイナーの登竜門といっても過言ではない。既にこのコンテストの受賞者や応募者が各自動車メーカーなどで活躍していることからも、その活動はしっかりと結果を残しているといっていい。

今回のテーマは『10年後の暮らしを楽しくする乗り物』。全国から357件の応募があり、入賞6作品、佳作20作品が選出された。

受賞者と作品名は以下の通り。

モビリティデザイン大賞:トータルで最も優れた作品
鈴村新太さん(麗澤瑞浪中学校) TRYATH X(トライアス エックス)

モビリティデザイン賞:イメージや機能が最も優れて絵に表現されている作品
中学生の部:田淵虹希さんluxtrel γray(ルクストレル ガンマレイ)
高校生の部:井上朝斗さん(静岡県立浜松工業高等学校) CARAPAX(カラパクス)

ダビンチ賞(高校生の部):工学的な工夫に優れた作品
岩田優一さん(愛媛県立八幡浜高等学校) ANCHOR(アンカー)

審査員特別賞:創造性に優れていて、審査員の総意で特別に選出した作品
會田六花さん(山形市立第三中学校):ぼうさいヤドカリ
竹野碧さん(女子美術大学付属高等学校):地球上の生活に疲れた人々のための飛行住居

機能美とともにその発想力と表現力を高く評価

今回大賞に選ばれたトライアス エックスは、地球全土を舞台に、陸・海・空を1台のマシンで駆け抜けてそのタイムを競うレース、モビリティ・トライアスロンのためのもの。固体電池とインホイールモーターによるAWDシステムを持ち、コースに合わせて4つのモード(オンロード・オフロード・スカイ・マリン)にチェンジするという。

この作品に対し審査員は、「地球全土を舞台に走り・飛び・泳ぐというスケールの大きさが、そのまま作品の魅力として伝わってくる提案。陸・海・空を1台で切り替える発想はとても独創的で、4つのモードを実現するための構造や変形プロセスにも新しさとデザイン性がしっかり感じられますし、その動きがアグレッシブなパッケージを生み、シーンに最適なモードとしての魅力につながっています。

表彰式終了後は現役デザイナーからマンツーマンでスケッチ指導。
表彰式終了後は現役デザイナーからマンツーマンでスケッチ指導。    内田俊一

人とモビリティが一体となって挑む『モビリティ・トライアスロン』という競技に特化して提案した着眼点も、とてもユニークです。ついつい装飾したくなるボディのデザインを、一見淡泊に思えるくらいにシンプルに表現。車体の機能部品との対比も相まって、あたかも贅肉をそぎ取ったアスリートのボディのような、スポーツとしての豊かな未来を指し示すモビリティ表現となりました」と高く評価。

受賞者の鈴村さんは、昨年のモビリティデザイン賞中学生部門に続き、今回念願の大賞受賞となった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    内田俊一

    Shunichi Uchida

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。

おすすめ記事