ボディ後部に貼り付けられたGTSのエンブレムは、ドライビングに専念するために作られた他のモデルに較べてトリムの質感が高く、かつスポーティであることを示している。

ざっくりと見ていくと装備は標準のカレラ4Sと変わらいないが、エンジンのアップグレード、スポーツ・クロノ・パック、レザー／アルカンターラ・インテリア、スポーツ・デザインの適合(外観)、20インチのセンター・ロック式アロイ・ホイール、その他数々の専用品などGTSにしかないパーツが組み合わされている。

トータルの車両価格は£107,202(2,011万円)。

■どんな感じ?

文句なしに優れたスポーツカーではあるが、その他の911に比べると今一歩。

タルガ4 GTSが、基準車の911よりも遥かに高価であること、また多くのオーナーはやはり自身の911の原体験を新型に求めることから、純粋な911とは異なるタルガはいくぶん評価の足を引っ張っているようだ。

3.4ℓの後輪駆動のマニュアル・モデルに比べると、車重は約200kg増えているうえ、スプリングも柔らかくなっている。またターボ・モデルに比べると最大トルクの発生回転域も高くなっている。

要するに、決して速さを前面に押し出したクルマではないのだ。PDKを組み合わせていることもあって、歯を食いしばりながら運転するというよりも、むしろ穏やかにクルーズすることの方が向いているといってもいい。

しかしアクセルを踏み込めば、やはり991らしい活発なパワー・デリバリーを行ってくれ、6000rpmから上でもまだまだ力強さはつづく。

この際のエンジン・フィールは極めて滑らかであり7800rpmのレッド・ラインまで綺麗に回るのも良い。エグゾースト・ノートも聴いていてとても興奮できる。