タルガ・トップによる車重増の悪影響はごくわずか。優れたスポーツカーであることに変わりないが、モダンな911ブラザーズには一歩及ばず。

■どんなクルマ?

50年のタルガ史における最新モデルのGTS版が今回のテスト対象。すべてをそつなくこなすスポーツカーであることはもちろん、クルーザーとしても一級であることを目指して設計されている。

洗練されていることに加えて、4WDである点、さらにはオープンエアならではの楽しみも味わえるということを考慮すると、理論上はベスト・スポーツカーに思えてくる。

昨年デビューしたばかりの最新版タルガは60年代のオリジナル・デザインを忠実に再現しており、当時、安全面で余儀なくされたシルバーのロールオーバー・バーも健在だ。

これに合わせて、リトラクタブルのクロス・ルーフや大きくラウンドしたガラス・ルーフもタルガらしい特徴であり、新鮮な佇まいは、私にはカブリオレよりも魅力的にうつる。

また、‘タルガ化’ に合わせてシャシー・セットアップは、標準の911よりも柔らかめになっている。