ホンダ・シャトル・ハイブリッドZ
公開 : 2015.05.27 23:50
ダッシュボードは、ピアノのような最近流行のブラックのパネルと、ソフトパッドで、お値段以上の高級感を望んでいる。開発責任者は1983年のシビック・シャトルを見に行ったそうである。あのインパネをマネしてほしかった……。時代に取り残されたおじさん(筆者)の独り言です。
キャッチフレーズは「さぁ、心のリゾートへ」。茶色の内装は リゾーター・ブラウンと名づけられた。若い女性が提案したそうである。実物は地味臭い。これがおシャレ、という感覚がセンスのないおじさんにはわからない。正直。ミドセンチュリー家具風???
マルチユースバスケットはハイブリッドX以上のグレードに標準装備。何を入れますか? 発明は必要の母である。
2:1分割式の後席背もたれをバタンと倒すと、身長183cmの大人が寝られるフルフラット空間が現れる。全幅169mmの5ナンバー・サイズにとどめながら、荷室の全幅はフィットよりも拡げている。後席を倒さずとも、ゴルフバッグが4つ、ラクに入る。機能面はよく考えられている。積載重量は100kgを想定している。
床下収納もついている。スペア・タイヤはない。電池はココとリア・アクスルの間に置かれている。
ハイブリッドなので、電気モーターのみで動いているときは驚異的に静かである。モーターは重い分、フィットよりも広い範囲で働く。重い分、エネルギーの回生も進むので、差し引き「いってこい」だそうだ。電気とは便利なものである。1.5ℓアトキンソンサイクル・エンジンは、回すと活発なサウンドを発する。そこがトヨタのハイブリッドとは大いに異なる。記憶の中のグレイスよりいい音のような気がする。インシュレーターが違ったりするのだ。
■「買い」か?
日本のステーションワゴン市場は往時、年間40万台あった。それがミニバンの普及によって大幅に縮小した。スバル・レガシィがレヴォーグに変わったのも、このようなメガトレンドのなせるわざであっただろう。
ホンダによると、一時、年間15万台規模までシュリンクしたワゴン市場は、近年、年間20〜27万台にまで回復している。ハイブリッド、すなわちプリウスαやフィールダー・ハイブリッドの登場で、ステーションワゴン魂に再び火を灯す人々が現れたのだ。
ハイブリッドを生命線とするシャトルは、電気モーターのアシストのおかげでダッシュ力もある。全開時にはウィ〜ンッというEV独特のSF チックなサウンドを聴かせてくれたりもする。スポーティなハンドリングと乗り心地を持つ、スペシャルティ感覚の小型ステーションワゴンとして、あるいはある種のクロスオーバーとして、老若男女に受け入れられる可能性を秘めている。
ただその、競合車は強敵フィールダー、という現実を踏まえつつ申し上げるのだけれど、”心のリゾート” にしては、内装デザインはあまりに現実的に思われる。あ、そうか。価格を冷静に考えてみよう。これは富裕層向けではない。いわば、近所の天然温泉である。日常生活の中の非日常、シャトルの目指すところの “心のリゾート” はそっちなのだ。お金持ちだって行くかもしれない。そう考えるとみなさん、これはお値打ちな、いいリゾートです。
(文・今尾直樹 写真・前田恵介)
ホンダ・シャトル・ハイブリッドZ
| 価格 | 2,380,000円 |
| 燃費 | 29.6km/ℓ |
| 乾燥重量 | 1240kg |
| エンジン | 直列4気筒1496cc + モーター |
| エンジン最高出力 | 110ps/6000rpm |
| エンジン最大トルク | 13.7kg-m/5000rpm |
| モーター最高出力 | 29.5ps/1313-2000rpm |
| モーター最大トルク | 16.3kg-m/0-1313rpm |
| ギアボックス | 7速オートマティック |
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