ホンダ・プレリュード x フォルクスワーゲン・ゴルフ x トヨタ・プリウス FFハイブリッドな3台(2) 近未来の「序曲」を奏でる

公開 : 2026.04.17 18:10

四半世紀ぶりに、ハイブリッドで復活したプレリュード。優雅なスタイリングとシビック・タイプR譲りの技術で叶えた、走りの魅力とは。プリウスとゴルフとの比較で、UK編集部が実力へ迫ります。

丘陵地帯を積極的に走り回れる力強さ

6代目ホンダプレリュードの最大トルクは非公表ながら、発進加速は軽快。恐らく、35.0kg-mは出ているだろう。丘陵地帯を積極的に走り回れ、サウンドも好ましい。

複雑なハイブリッド・パワートレインだが、反応は直感的。シフトパドルで操作する多段ATのように、変速を模した制御もプラスの印象を生んでいる。MTモードも備わる。

ホワイトのホンダ・プレリュードとレッドのトヨタ・プリウス
ホワイトのホンダ・プレリュードとレッドのトヨタプリウス    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

駆動用モーターは高出力で、アクセルペダルを深く踏まない限り、エンジンのアシストは不要。同時にエンジンは、ある程度余裕を持って駆動用バッテリーの充電量を保てる。そのため、回転数を変化させて美音を響かせつつ、従来的な変速感の再現が叶った。

一方、50km/h以上で鋭い加速を求めると、モーターの力だけでは不充分。エンジンも高めの回転数が必要になり、MTモードで仮想のギアを選んでいるより、Dモードの方が力強く感じられる場面はある。だがそれが、運転している感覚を強めている。

スポーティさを濁すパワートレインの制御

転じてトヨタ・プリウスには、ドライバー自らがギアを選ぶ概念はない。アクセルペダルを蹴飛ばせば驚くほど速いが、e-CVT特有の加速感へ身を置くしかない。

フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEは、今回の3台では1番強力なプラグイン・ハイブリッド。ところが、スポーツ・モード時もエンジンを積極的に停止させる制御が、スポーティな印象を濁すことは否めない。

ホワイトのホンダ・プレリュードとグレーのフォルクスワーゲン・ゴルフ GTE
ホワイトのホンダ・プレリュードとグレーのフォルクスワーゲン・ゴルフ GTE    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

6速デュアルクラッチATの反応は、プレリュードの瞬間的な疑似変速に敵わない。実態を伴うのはゴルフ GTEながら、ホンダの制御は素晴らしい。パワーデリバリーのシームレスさが、時々奇妙に思えるとしても。

シビック・タイプRを活用した優れたシャシー

プレリュードの洗練されたパワートレインを、巧みに引き立てるのが優れたシャシー。車重はプリウスやゴルフより軽く、重心は低く、操縦性は素晴らしい。

FL5型シビック・タイプRの足回りを活用し、優れたグリップ力と安定性、確かなフィーリングを実現している。チューニングは異なり、ハイエンド・ホットハッチ的な荒々しさをなだめつつ、同等にダイナミックな身のこなしを得ている。

ホンダ・プレリュード・アドバンス E:HEV(英国仕様)
ホンダ・プレリュード・アドバンス E:HEV(英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

ステアリングの重さや反応の素早さ、感触は、常に心地よく調和。カーブでは、正確にラインを辿れる。安心感を与える落ち着きとグリップ力で、スピードを追求したくなる。

高速域での減衰特性も出色で、入力を巧みに処理し、粗野な揺れは排除。姿勢制御の締りも良い。ただし、全力の8割程度で駆ける方が面白い。本来の優れた特性を堪能でき、パワートレインの限界に達し、もどかしくなることもない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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