ボナムス・グリーンウィッチ・コンクール・デレガンス・オークション

●2015.05.31　グリーンウィッチ／CT／U.S.A. スパ・フランコルシャンに続きアメリカのグリーンウィッチで行われたコンクール・デレガンスと共にボナムスのオークションが開かれた。ここでは控えめな最低落札額が予告され、流れが変わってきたことを感じさせた。  
5月に入って活発になってきたコレクターズ・オークション界だが、ボナムスはスパ・クラシックに続きアメリカのコネチカット州グリーンウィッチで行われたコンクール・デレガンスに併催して開催した。アメリカ東海岸のオークションだけに、どちらかというと英国的な渋めの指向で、コンクール・デレガンスと共に行われただけにヴィンテージ・モデルが多いのが特徴だ。 ここで最高落札額を記録したのは1938年型ブガッティ・タイプ 57C ステルヴィオ・コンバーチブルの1億9778万円で、億越えはこれだけだった。これに1938年型メルセデス・ベンツ 320 LWB コンビ・ロードスターの9610万円、1973年型ポルシェ 911RS 2.7 M472 ツーリングの7366万円、1939年型ドライエ 135M コンペティション・コンバーチブル・クーペ・アンリ・シャプロン3683万円、1938年型ジャガー SS100 2 1/2ℓ ロードスター2666万円が続きベスト5はヴィンテージ期のモデルが中心となった。 ここ1年でコレクターズカーが大きく値を上げているが、グリーンウィッチでは希少性の低い量産モデルや人気の低いモデルが以前の値に戻りつつある。ここに来て円安になりより割高に感じるが、現地通貨（米ドル）の額で見て行くとビッグヒーレーBN1が5.7万$、MG TDが2.1万$、ポルシェ911Tタルガで7.15万$、アルファ・ロメオ・デュエットが2.53万$と納得できる額で終了している。 このほかにも1〜2万$でオースチンA35バン、ベレム・イセッタ、アウトビアンキ・ビアンキーナ・トランスフォーマブル・クーペ、トライアンフ2000 ロードスター、ウイリス・ジープスター・フェートンが買えるようになり、エンスージァストには喜ばしい限りだ。 またポルシェ911の74カレラ・タルガは1058万円、1986年の3.2カレラが362万円、と平和な値段で落札されている。変わったところではニューヨークを象徴するチェッカー・マラソン・タクシーは僅か96万円だった。 唯一の日本車だったマツダ・コスモ・スポーツだが、最低落札額が1860万円とたかったため流れている。また貴重な1946年型フォルクスワーゲン・タイプ11 ビートルだが、VWファンがいなかったのかこちらも流札してしまった。またBMC テクニカル・サポート・ヴィークルはBMCファンには魅力的な1台だが、アメリカでの開催だったためか落札に至らなかった。 これまで上昇一途の流れだったコレクターズ・オークションだが、グリーンウィッチの落札額を見ていると流れが変わってきたように感じられる。しかし、今後の価格動向は年末まで見ないと分からないだろう。

1＄(ドル)=124円で計算　NS=落札不成立。日本円価格の括弧内の金額は、主催者が発表した予想落札価格。