航続距離906kmの衝撃 新型『BMW iX3』徹底解説(前編) 次世代コンセプト『ノイエクラッセ』第一弾モデル

公開 : 2026.07.27 11:45

【パワートレイン】BMW 初の誘導モーターを前輪に採用

新型iX3は、BMWグループの電気自動車として初となる『誘導モーター』を前輪に採用。後輪には『巻き線界磁式同期モーター』を組み合わせ、効率と性能を向上。基本的に後輪モーターで駆動し、前輪モーターはトラクションが必要な時だけ起動する。

後輪の巻き線界磁式同期モーターは、ローターにレアアースが必要な永久磁石ではなく電磁石(界磁巻線)を使用。界磁電流を調整することで磁力を可変させて正確な出力制御を行い、高効率で航続距離を延長させることを実現した。

ボディサイズは全長4780mm、全幅1895mm、全高1635mmとなる。
ボディサイズは全長4780mm、全幅1895mm、全高1635mmとなる。    上野和秀

前輪用モーターは最高出力123kW(167ps)、最大トルク255Nm(26.0kg-m)、後輪用モーターは240kW(326ps)、435Nm(44.36kg-m)を発生。システムトータルは345kW(469ps)、645Nm(65.77kg-m)に達する。

また電力と情報の流れを再設計することにより。車両内の配線を従来車に比べて約600m短縮し、ワイヤリングハーネスの重量を約30%削減した。

【バッテリー】セルトゥパック採用などで航続距離は906km実現

新設計の高電圧バッテリーは、『セルトゥパック』で開発された。従来の高電圧バッテリーは個々のバッテリーセルをモジュール化して車両に搭載する一方、セルトゥパックではバッテリーセルを直接パックに組み込むことで、効率向上と重量削減、冷却効率の向上などを実現している。

バッテリーセルは、直径46mm、高さ95mmの円筒形とされ、パックしたセルを車両の床面に敷き詰めている。これによりバッテリー容量は109.1kW/h を確保し、WLTCモードでの一充電で走行可能な航続距離は、世界的にトップとなる906kmを実現した。

発表会会場にはクラシックモデル、BMW1600TIを展示。
発表会会場にはクラシックモデル、BMW1600TIを展示。    上野和秀

航続距離が伸びると、気になるのが充電性能だ。新型iX3は800Vの高電圧アーキテクチャーを採用し、BMWグループのBEVとして初となる最大320kW充電に対応する。15分間の充電で最大約395km相当を充電可能で、10%から80%までの充電は26分程度で完了する。

今後、海老名サービスエリアなどに設置が予定されている一口最大出力350kW(総出力400kW)の急速充電器を利用すれば、僅か15分間の充電で最大約420km相当の充電が可能だ。もちろんV2H、V2Lといった車両の高電圧バッテリーを有効活用する外部給電機能にも対応する。

*新型『BMW iX3』徹底解説(後編)に続きます。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

新型『BMW iX3』徹底解説の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

Google検索で『AUTOCAR JAPAN』の記事を見つけやすくする方法

人気記事