航続距離はクラス最長級800km超 BMW iX3 50 xドライブ(1) 一線を画す新ボディ 広い車内にパノラミックビジョン

公開 : 2026.03.25 18:05

BMWの次世代EVを牽引するiX3が、英国の路上へ。クラス最長級の航続800kmに、リニアな加速と機敏な身のこなしを実現。車内も広く、新基準を設定する仕上がりだと、UK編集部は評価します。

従来とは一線を画す端正なスタイリング

BMWの次世代バッテリーEVを牽引する、ノイエクラッセの第一弾、iX3の納車が英国で始まった。既にAUTOCARでは概要へ触れているが、ソフトウエアが特徴や性能を左右する、同社初の「ソフト・ディファインド」モデルでもある。

2028年までに、6車種以上へ採用される予定の新開発プラットフォームは、エンジンの搭載を想定しないEV専用。その中には、3シリーズの電動版、i3も含まれる。一定の販売数が見込まれるカテゴリーで、独立させる価値があると判断したのだろう。

BMW iX3 50 xドライブ Mスポーツ(英国仕様)
BMW iX3 50 xドライブ Mスポーツ(英国仕様)

スタイリングは、従来とは一線を画す。端正な面構成で、都会的な雰囲気を漂わせる。縦に長いキドニーグリルは、フロントマスクと調和しているように映る。中型SUVとして、堂々とした佇まいでもある。

ボディサイズは、新しいX3より僅かに長く幅広いが、全高は低い。確かな新鮮さを感じさせるプロポーションな一方、好みが分かれる造形なことも否定はできない。

現在の市場では最長クラスの航続800km超え

駆動用バッテリーは、多くのEVと同様にフロア下へ敷かれる。円筒形のセルで構成され、同社の従来ユニット比でエネルギー密度は20%向上し、容量は108.7kWhが主張される。また、保護ケースはシャシー構造の一部もなす。

先行して英国へ導入されたグレードは、iX3 50 xドライブ。ツインモーターの四輪駆動だが、航続距離はWLTP値で800kmを超える。ホイールやタイヤのサイズ、実装するオプションで多少前後するものの、現在の市場では最長クラスに属する。

BMW iX3 50 xドライブ Mスポーツ(英国仕様)
BMW iX3 50 xドライブ Mスポーツ(英国仕様)

車重は2285kgで、前後の重量配分は50:50。果たして、走りの印象は伝統的なBMWらしさを体現したもの。従来のSUVとは、まったく異なるとも表現できる。

英国価格は、素の50 xドライブで6万ポンド(約1260万円)を僅かに切る。小容量のバッテリーと、シングルモーターの組合せのiX3も登場予定。こちらは、5万ポンド(約1050万円)へ接近する見込み。

上品で現代的な内装 競争力の高い空間

運転席へ座ってみると、BMWが長年こだわってきた「ドライバーの手はステアリングホイール、目線は路上」という特長が、受け継がれているとわかる。ただし、理想的に、というわけではない。従来とは、根本的に異なる。

フロアにバッテリーが敷かれる影響で、シートの座面はやや高め。対して、ステアリングホイールの位置は低め。キャビンへ深く座り、腕をやや持ち上げた運転姿勢は取ることができない。これを、残念に思う人はいるだろう。

BMW iX3 50 xドライブ Mスポーツ(英国仕様)
BMW iX3 50 xドライブ Mスポーツ(英国仕様)

内装のデザインは装飾的すぎず、上品で現代的な印象。素材の質感も、全体的に高いといえる。電動化で上昇しがちな価格を抑えるべく、目につきにくい低い部分には、硬質なプラスティックも散見される。

車内は、このクラスでは間違いなく広い側。乗員空間も荷室容量も、競争力は高い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

BMW iX3 50 xドライブの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事