ヴォグゾール・ヴィヴァ1.0 SE

公開 : 2015.06.10 23:30  更新 : 2017.05.29 18:29

徹底的に攻めこんでみるとわずかながらのアンダーステアが看取される。

ただし心配ご無用。ヴィヴァを買う層に、AUTOCARのテスターのような激しい運転をする人は少ないし、そもそもこれはヴォグゾールの得意とする部分ではない。

追い越しを行うにはギアを2段以上落とす必要がある。この際のエンジン・フィールは率直にいうと怠惰。アクセル・ペダルを床まで踏みつけてようやく加速が始まる。ヴィヴァよりもパワーが控えめなスズキ・セレリオの方がまだ元気がいいと感じる。

しかし、ツインカム3気筒の静粛性と滑らかさは特筆に値する。それも6600rpmのリミッター付近でも静かでなめらかなのだ。確かに3気筒特有の音が鳴ってはいるが、露骨に車内に入ってくることは一切ない。

6500rpmまでピーク・パワーが訪れないため、静かなエンジンはとてもありがたい。

5速マニュアルの完成度も見事なもの。クラッチ・ペダルのアクションも然り、穏やかかつ遊びが少ない絶妙な仕立てなのだ。

さらに朗報。今回のテストでは17.7km/ℓの優れた燃費を記録。満タン時から次の給油まで563kmも走れた。110km/hのクルージング時には、レブ・カウンターが3500rpmに落ち着いているのも、長距離移動を主とするユーザーにとってありがたい。

インテリア、実用性もヴィヴァの強みだ。スイッチやシート、ステアリングの配置、スペースには問題は見当たらない。

ステアリングはリーチ調整ができないが、適切なポジションを見つけるまでに時間はかからなかったし、シートのサポート性も高い。

後席は身長180cmを超える大人にとっても不快ではなく、状況に応じては3人が横に並んで座ることも可能だ。208ℓという荷室容量はフォルクスワーゲンUp!よりは43ℓ小さいが、日常的な使用には差し支えない。

なめらかな動作や、カチリとしたベンチレーション・コントロールに触れる度にヴォグゾールは細やかなところまで注意深く配慮していることがわかる。

残念なのはロード・ノイズだ。ラフな路面を高速で走る時には、声を張り上げて離さないとパッセンジャーには聞こえない。エンジンがかなり小さいだけに残念だ。

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