英国発祥ブランド『ヴォグゾール』に新展開 オペルとの違いを強調、道路事情に合わせたシャシー仕様へ

公開 : 2026.07.03 07:05

オペルの子会社であるヴォグゾールは、英国の道路事情に合わせてオペル車を改良するための新たな裁量権を獲得しました。ステランティスのブランド再編に伴い、「英国の顧客のニーズ」に応えるために設計の自由度を広げます。

ステランティスのブランド再編

オペルは、英国子会社であるヴォグゾールに対し、モデルを改良するための技術的な裁量権を拡大する。設計の自由度を高めることで、ブランドのオリジナリティを強める狙いだ。

オペル/ヴォグゾールをはじめ、アルファ・ロメオシトロエン、DS、フィアットランチアプジョーといった複数の欧州ブランドを傘下に持つステランティスは、最近、新戦略を発表した。今後の投資の大部分を、業績好調な4つのグローバルブランドに集中させるというのだ。

ヴォグゾール・フロンテラ
ヴォグゾール・フロンテラ

プジョー、ラム、ジープ、フィアットについては、「多地域での展開」により「最大の規模と最高の収益性ポテンシャル」を有しているとして期待を寄せる一方で、DSとランチアについては、それぞれの本拠地であるフランスとイタリアに焦点を当てた「スペシャリティブランド」として位置づけた。

ステランティスのこの動きは、広範なポートフォリオの合理化を目的としているように見える。しかし、オペルのフロリアン・ヒュットル社長は、英国発祥のヴォグゾールブランドが引き続き「極めて明確な」役割を担い、過去40年以上にわたり販売されてきたモデルよりも、今後はさらに独自性を強めていくと述べている。

明確なアイデンティティと役割

ヴォグゾールは、1970年代初頭にドイツのオペルと事実上合併して以来、独自の車両を生産しておらず、ほぼ英国国内でのみ事業を展開してきた。英国で販売するモデルはいずれも、オペル車とほぼ同一だ。そのため、ブランドとしての独立や存続可能性に疑問の声が上がっていた。

しかし、ヒュットル氏はAUTOCARの取材で、ステランティスの新しい組織体制においてヴォグゾールの居場所が残されているかとの問いに対し、「オペルとヴォグゾールは、グループ内で非常に明確なアイデンティティと役割を持っています」と述べた。

ヴォグゾール車とオペル車の違いは、これまでほとんどなかった。
ヴォグゾール車とオペル車の違いは、これまでほとんどなかった。

これは、ドイツでのオペルの販売実績や、『コルサ』と『フロンテラ』がともに人気車種トップ10にランクインしている英国での実績を反映したものだという。

劣悪な道路状況に合わせた設計に

さらにヒュットル氏は、競争力を高める一環として、ヴォグゾールのエンジニアリング面での役割を拡大していくと語った。英国では現在、きょうだいブランドであるプジョーに販売台数で後れを取っている。

「オペルとヴォグゾールの重要性に疑いの余地はありません。今後、適切な時期に改めて皆様にお伝えしたいのは、ヴォグゾールが英国市場に向けてより一層の差別化と適応を図れるよう、さらなる可能性を提供していく意向だということです」

ヴォグゾール・モッカ
ヴォグゾール・モッカ

「オペルは、ヴォグゾールのチームと共同で具体的なプロジェクトを進めています。特にシャシーの仕様に関して、わたし達の求めるスペックに明確に合致するよう取り組んでいます」

ヒュットル氏のこの発言は、ドイツに比べてはるかに劣悪な英国の道路状況を指していると思われる。

ヒュットル氏は具体的な改良の内容や、どのモデルから影響を受けるのかについては言及を避けたものの、「英国のお客様の具体的なニーズ」に応えるべく尽力していることを強調した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事