単に「ブランドが違う」だけじゃない ステランティス、技術共通化でも個性は明確に デザインへ注力

公開 : 2026.06.09 07:45

ステランティスは傘下の14ブランドで構造や技術、部品の共通化を進める計画ですが、各ブランドの独自性は堅持するとのこと。4つの主要なグローバルブランドに注力する一方、他のブランドではより個性を打ち出す方針です。

部品共有拡大も、差別化を図る

ステランティス傘下の14ブランドから今後登場するモデルは、プラットフォームや技術の共通化が進む中でも、より個性を明確にしたものになるという。同社の欧州責任者が語った。

同社は最近、110車種の新モデルを含む520億ポンド(約11兆円)規模の変革計画を発表した。大幅な経費削減、新たな共通プラットフォームの採用、そして投資額の70%をフィアットジーププジョー、ラムの4つの主要「グローバル」ブランドに集中させる方針を掲げている。

アルファ・ロメオ、ジープ、プジョーなど14ブランドの独自性は堅持するという。
アルファ・ロメオ、ジープ、プジョーなど14ブランドの独自性は堅持するという。

新モデルの大部分に採用予定の新たな汎用アーキテクチャ『STLAワン』を導入し、ブランド間での技術共有を拡大する。

こうした統合が進む中、欧州責任者のエマヌエーレ・カッペラーノ氏はAUTOCARの取材に対し、この計画は実際にはブランド間の差別化をさらに進めることになると語った。

「グローバルブランド、リージョナル(地域)ブランド、スペシャリティ(専門)ブランドについて、誤解は避けたい。ステランティスはブランドの重要度で順位付けをしているわけではありません。重要なのは、資本配分においていかに賢明な判断ができるかということです」

「グローバルブランドとリージョナルブランド、スペシャリティブランドの主な違いは、最初に投資するタイミングだけです」

デザインやブランディングも変えていく

カッペラーノ氏はこう続けた。

「したがって、BセグメントおよびCセグメント向けのSTLAワン・プラットフォームにおいては、プジョーがグローバルブランドとなります。つまり、この新プラットフォーム、新しい電気アーキテクチャー、STLAブレイン(ソフトウェア基盤)、そしてステアバイワイヤのような新技術を採用したプジョーブランドのモデルを、最初に投入するために投資を行うということです」

新しい『STLAワン』プラットフォームは数多くのモデルで採用される予定だ。
新しい『STLAワン』プラットフォームは数多くのモデルで採用される予定だ。    ステランティス

「同時に、同じプラットフォームを用いた次のモデルの投入にも取り組んでいます。設備投資の大部分は、単なるバッジエンジニアリングではなく、モデルやラインナップの真の多様化に注がれています」

「最初に新型のプジョーが登場し、その後、プジョーのバッジエンジニアリングではない新型のオペル/ヴォグゾール、続いてアルファ・ロメオやジープなどが登場します」

カッペラーノ氏は、各モデルへの投資はまずデザインに充てられると述べた。「デザイン、ボディタイプ、形状、そしてブランドの属性を変える必要がある」とし、さらに「各ブランドに特有のすべての特徴も変える」という。

「ステランティスのブランド、特に主流のブランドは、非常に具体的な製品属性で認識されており、これが基本的に計画の原動力となっています。したがって、今後は各ブランドへの投資を通じて、それらの製品属性を強化していく必要があります」

カッペラーノ氏は、STLAワンが完全に新しいプラットフォームであり、従来の『STLAミディアム』の改良版ではないと強調した。その理由として、「BEV市場で競争力を維持する唯一の方法は、専用のネイティブEVプラットフォームを持つこと」だと述べた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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