僅か限定10台の特別仕様 アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ「ルナロッサ」 圧倒的なアナログ感 金字塔といえるスーパーサルーン

公開 : 2026.09.09 18:05

アナログ感が強くオールドスクールな味わい

今回はグレートブリテン島での試乗だったが、流石に140kgのダウンフォースを体験することは難しい。それでも、金字塔といえるスーパーサルーンに仕上がっている。

パワートレインなどのメカニズムへ、特別なチューニングは施されていない。これに疑問を感じる人は、いるかも知れない。だが、通常のジュリア・クアドリフォリオを運転したことがあるなら、それで構わないと感じるだろう。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・ルナロッサ(欧州仕様)
アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・ルナロッサ(欧州仕様)

2026年の新たなライバルとなる、アウディRS5の運転体験とは対局にある。どちらもV6ターボエンジンを搭載するが、こちらは圧倒的にアナログ感が強く、オールドスクールな味わいへ惹き込まれる。

ステアリングレシオはクイックだが、可変ギアが介在するわけではなく、程なく慣れるはず。フロントタイヤのグリップが鋭い旋回を支え、姿勢制御は充分にタイト。520psの最高出力は、8速ATと機械式LSDを介して、リアタイヤがしっかり受け止める。

ベースモデルの素晴らしさを再確認させる存在意義

レース・モードを選ばない限り、トラクション・コントロールの介入より早くパワーが絞られる感覚があり、鮮烈さは薄い。しかし切り替えた途端、命綱が消えたかのような興奮と刺激が迫り、心拍数は速まる。

すべての電子アシストがオフになることが正解なのか、議論の余地はある。それでも、挙動は感動的に滑沢で線形的。カーブの立ち上がりでパワーを強めに加えれば、4ドアのトヨタGT86のように、滑らかにテールが滑り出す。それでいて、乗り心地も悪くない。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・ルナロッサ(欧州仕様)
アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・ルナロッサ(欧州仕様)

2.9L V6ツインターボも出色。反応は鋭敏で強力なだけでなく、ザラついたサウンドでも楽しませる。アクラポヴィッチ社製マフラーが、それを見事に強調している。唯一惜しいのが、6速MTを選べないこと。それこそ、本当に望まれる特別仕様かも。

10台だけのルナロッサが、アルファ・ロメオの販売を一変させることはない。しかし遊び心に満ちた、共感を誘う限定モデルだと思う。ジュリア・クアドリフォリオの素晴らしさを再確認させる、確かな存在意義もあるといえる。

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・ルナロッサ(欧州仕様)のスペック

英国価格:12万ポンド(約2580万円/予想)
全長:4643mm
全幅:1874mm
全高:1436mm
最高速度:307km/h
0-100km/h加速:3.9秒
燃費:10.0km/L
CO2排出量:227g/km
車両重量:1660kg
パワートレイン:V型6気筒2891cc ツインターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:520ps/6500rpm
最大トルク:61.1kg-m/2500-6000rpm
ギアボックス:8速オートマティック/後輪駆動

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・ルナロッサ(欧州仕様)
アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・ルナロッサ(欧州仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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