ボルボのフラッグシップクロスオーバー『ES90』は、4ドアでなく5ドア デザインや乗り味がもたらす『空間美』に感心 実はEX90よりも販売好調

公開 : 2026.09.08 17:25

7月8日に日本で発表された『ボルボES90』は一見すると4ドアセダンに見えますが、実はハッチゲートを持つ5ドアです。ボルボはこれを『フラッグシップクロスオーバー』と呼んでいます。編集部ヒライが取材しました。

本国では約2年半のタイムラグ

7月8日に日本でも発表された『ボルボES90』を取材することができた。一見すると4ドアセダンに見えるが、実はハッチゲートを持つ5ドアモデルとなる。ボルボはこれを『フラッグシップクロスオーバー』と呼んでいる。

SUVモデル『EX90』も同時に日本導入されたが、本国では約2年半のタイムラグがあり、ES90のほうが少し世代が新しい。これは日本で台数が見込める『EX30』の展開を優先したためだ。なお来年には大本命と言える『EX60』導入も控えている。

7月8日に日本でも発表された『ボルボES90』を取材。ハッチゲートを持つ5ドアモデルだ。
7月8日に日本でも発表された『ボルボES90』を取材。ハッチゲートを持つ5ドアモデルだ。    平井大介

Eの名が付くボルボは全てEVとなり、日本でも徐々に販売を伸ばしている。日本のプレミアムEV市場はテスラが68%と圧倒的だが、ボルボはそれに続く8%と健闘しているそうだ(数字はボルボ・カーズ・ジャパン調べ)。

さてES90だが、日本では販売されていないフラグシップセダン『S90』と対になるEVモデルで、ボディサイズは全長5000mm(S90PHEV比+30mm)、全幅1940mm(同+50mm)、全高1545mm(+100mm)、ホイールベース3100mm(+160mm)とかなりの大きさだ。

ラインナップと価格はシングルモーターの『ES90プラス』が979万円、同『ES90ウルトラ』が1129万円、今回取材した『ES90ウルトラ・ツインモーター・パフォーマンス』が1229万円となる。

注目すべきは、2024年モデルまで導入していたS90PHEVが1089万円だったため、為替レートなどもあり単純比較はできないが、S90上級モデル(=ガソリン車)とES90ベースモデル(EV)の価格がオーバーラップするところまできたことであろう。

サイズのわりに狭い道でも取り回しがいい

車両重量は2560kg、総重量に至っては2835kgもあるが、ツインモーターということでフロントモーターは最高出力299ps/最大トルク390Nm、同じくリアは280ps/480Nmとなり、十分なスペックといえる。駆動方式は当然AWDで、シングルモーターの場合はRWDとなる。

気になる航続距離はツインモーターが720km、シングルモーターが665kmだ。

ハッチゲートを開けると広大なラゲッジルームが出現。高さ以外はワゴン並みだ。
ハッチゲートを開けると広大なラゲッジルームが出現。高さ以外はワゴン並みだ。    平井大介

キーとなる技術は、最新のSPA2プラットフォーム、800Vテクノロジー、フギンコア(Hugin Core)と呼ばれるコンピューターの統合技術、新世代のセンサー技術といったあたりとなる。ただ、これらを全て理解することはさほど重要ではなく、気になるのはこれらによってどんなクルマに仕上がっているかであろう。

乗り始めてすぐに感じたのは2点。サイズのわりに取材会場となった箱根の狭い道でも取り回しがよかったこと。そして下り坂での回生ブレーキが上手で、交差点で停止するまで足踏みブレーキゼロで走れたことだ。

また、デュアルモード式となるエアサスペンションの制御が絶妙で、まさに極上の乗り心地。ソフト、スタンダード、ハードと全て試したが、何も考えずスタンダードにしておいても十二分に満足できそうだった。

『EVらしく』という表現以上に静粛性の高い室内も特筆すべき点だ。その静粛性を活かし、25個のスピーカーを備えるバウワースアンドウィルキンスのオーディオシステムを搭載。英国アビーロード・スタジオの名を冠したサウンドモードを備え、『独自の音響的DNA』を再現している。

オーディオは素人の筆者であるが、小さなライブハウスにいるかような体験は、明確に音質のよさを感じさせるものであった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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