マクラーレン、5億ポンドの事業拡大計画を発表(前編) 「パフォーマンスSUV」投入も確定 英国に新工場建設

公開 : 2026.09.18 11:45

パワートレインを自社開発・生産

また同氏は、英国の他メーカーの工場内に生産ラインを設ける予定はないと述べた。「少量生産は大手メーカーの大量生産にとって大きな支障となる」ためであり、新工場はマクラーレン専用に建設されることになる。

ウォーキングにある本社工場や、シェフィールドにあるカーボンファイバー生産工場も拡張される予定だ。

マクラーレンW1
マクラーレンW1

特に重要なのは、マクラーレンが初めてエンジンの開発と生産を自社内で行うことだ。これまではすべてのロードカー用エンジンを外部から調達していた。主な調達先は英国のエンジニアリング企業リカルドであり、同社は2011年の『12C』以来、すべての主力モデルにエンジンを供給してきた。

自社開発の第一弾となるのが、2種類のエンジンとそれに対応するトランスミッションだ。マクラーレンは技術仕様については言及していないが、「当社のハイブリッドエンジン戦略」を支えるものになると述べている。

新型車、生産体制、開発プログラムにより、マクラーレン社内および周辺で「少なくとも」1000人の雇用が創出され、その結果としてサプライチェーン全体でさらに3000人の雇用が生まれると見込まれている。

販売の主力となる「SUV」投入へ

今回の発表における注目ポイントの1つは、待望のSUV開発計画だ。フォーセブンとの合併より何年も前から検討されてきたものであり、高級車市場シェアの拡大を牽引することが期待されている。

マクラーレンは、SUVをラインナップに持たない「最後」の高級スポーツカーメーカーだ。近年、フェラーリプロサングエアストン マーティンDBXランボルギーニウルスなど、ライバル各社が車高の高い5ドアモデルで販売台数を拡大している中、マクラーレンはスーパーカーに注力してきた。

マクラーレンはこれまでミドシップのスーパーカー/ハイパーカーに注力してきた。
マクラーレンはこれまでミドシップのスーパーカー/ハイパーカーに注力してきた。

フォーセブンとの合併後、同社は創業以来専ら生産してきたミドシップ・スーパーカー以外のモデルラインナップを拡大すると公約していたが、今回初めて「パフォーマンスSUV」の開発計画が明らかになった。

自社開発のハイブリッドパワートレインを搭載し、2030年までに発売される予定で、DBXやプロサングエのライバルとなるだろう。

SUV開発はどれくらい進んでいる?

ストラウガン氏はAUTOCARに対し、SUVはミドシップのスーパーカーと同様にカーボンファイバー製モノコック構造を採用することで、マクラーレンの伝統を受け継いでいく可能性もあると明かした。

「これは現在議論している課題の1つです。これまで誰もこうした試みをしたことがないからです。このタイプの他のSUVはすべてアルミニウム製であり、将来どのようなボディ構造にするか、現在いくつかの選択肢を検討しています」

マクラーレン750S
マクラーレン750S

「もしその方向(カーボンモノコック)に進めば、世界初となるでしょう。非常に特別なものとなるはずです」

ストラウガン氏は、カーボンファイバー製モノコック構造を採用する場合、「克服しなければならない課題」が複数あることを認めた。例えば、乗り心地、コスト、修理のしやすさへの影響などだ。それらを踏まえた上で、「どの道を進むべきかについて、現在非常に興味深い議論が行われている」という。

こうした議論の内容から、SUVの開発はまだ初期段階にあるのかとの記者の質問に対し、ストラウガン氏は「その通りです」と答えた。

(翻訳者注釈:この記事は「後編」へ続きます)

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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