フォードGT x フェラーリF430(1) 同時期を生きた、異なるアプローチの傑作V8ミドシップたち シルエットは1966年優勝マシンを彷彿

公開 : 2026.11.01 17:45

重厚な雄叫びを放つ558psの5.4L V8エンジン

GTのキーフォブを手にすると、コスト意識を実感する。四角いプラスティック製で、正直安っぽい。別体のイグニッションキーはリンカーンLSから流用され、ステアリングコラムのレバーやミラーのスイッチは、フォード・フォーカスと共有する。

バックミラーを覗くと、スーパーチャージャーの巨大なプーリーが映り込む。ミドシップされたアルミ製ブロックの5.4L V8エンジンは、4バルブ仕様とはいえ、ピックアップトラックの動力源にもなったモジュラー・ユニットだ。

フォードGT(2004〜2006年/北米仕様)
フォードGT(2004〜2006年/北米仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

しかし、ドライサンプ化されデュアルインジェクターが与えられ、最高出力は558ps。2007年のシェルビーGT500すら及ばない高馬力にあり、洗練度も高い。

アイドリング時は低く唸るが、ドロドロという例の音色とは別物。スクリュー式スーパーチャージャーは、高域でもうるさくない。ストロークの長いアクセルペダルを傾けると、重厚な雄叫びが大空へ放たれる。

リアが暴れることなくリニアに速度は上昇

ハンドブレーキのレバーはマグネシウム製センタートンネルの反対側だが、人間工学的なレイアウトは素晴らしい。マスタングと同じステアリングホイールは、理想的な位置。リバースギアを選ぶにはコツが必要でも、シフトレバーの感触に非の打ち所はない。

市街地をゆっくり流せば、扱いやすさに舌を巻く。クラッチは繋ぎやすく、アクセルの反応は過敏過ぎない。太いピラーが広い死角を生むものの、確かに乗りやすい。

フォードGT(2004〜2006年/北米仕様)
フォードGT(2004〜2006年/北米仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

右足の角度を深めると、2000rpmから極太のトルクが溢れ出し、V8エンジンは雷鳴さながらのサウンドを放ち出す。幅が315mmあるタイヤとLSDが協働し、リアが暴れることなくリニアに速度は上昇していく。

この続きは、フォードGT x フェラーリF430(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・カルダーウッド

    Charlie Calderwood

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

フォードGT x フェラーリF430の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

Google検索で『AUTOCAR JAPAN』の記事を見つけやすくする方法

人気記事