フォードGT x フェラーリF430(1) 同時期を生きた、異なるアプローチの傑作V8ミドシップたち シルエットは1966年優勝マシンを彷彿
公開 : 2026.11.01 17:45
重厚な雄叫びを放つ558psの5.4L V8エンジン
GTのキーフォブを手にすると、コスト意識を実感する。四角いプラスティック製で、正直安っぽい。別体のイグニッションキーはリンカーンLSから流用され、ステアリングコラムのレバーやミラーのスイッチは、フォード・フォーカスと共有する。
バックミラーを覗くと、スーパーチャージャーの巨大なプーリーが映り込む。ミドシップされたアルミ製ブロックの5.4L V8エンジンは、4バルブ仕様とはいえ、ピックアップトラックの動力源にもなったモジュラー・ユニットだ。

しかし、ドライサンプ化されデュアルインジェクターが与えられ、最高出力は558ps。2007年のシェルビーGT500すら及ばない高馬力にあり、洗練度も高い。
アイドリング時は低く唸るが、ドロドロという例の音色とは別物。スクリュー式スーパーチャージャーは、高域でもうるさくない。ストロークの長いアクセルペダルを傾けると、重厚な雄叫びが大空へ放たれる。
リアが暴れることなくリニアに速度は上昇
ハンドブレーキのレバーはマグネシウム製センタートンネルの反対側だが、人間工学的なレイアウトは素晴らしい。マスタングと同じステアリングホイールは、理想的な位置。リバースギアを選ぶにはコツが必要でも、シフトレバーの感触に非の打ち所はない。
市街地をゆっくり流せば、扱いやすさに舌を巻く。クラッチは繋ぎやすく、アクセルの反応は過敏過ぎない。太いピラーが広い死角を生むものの、確かに乗りやすい。

右足の角度を深めると、2000rpmから極太のトルクが溢れ出し、V8エンジンは雷鳴さながらのサウンドを放ち出す。幅が315mmあるタイヤとLSDが協働し、リアが暴れることなくリニアに速度は上昇していく。












































































































