ル・マンを制した伝説的な名車GT40、活躍を封じられた幻のRS200も デザインが秀逸なフォード車 40選(中編)

公開 : 2026.10.31 11:25

フォードRS200(1984年)

グループBラリーカーが禁止されていなければ、フォードRS200はもっと広く知られていただろう。安全上の理由からクラス自体が廃止されてしまったため、フォードはこの専用設計の四輪駆動車を使う機会さえほとんど得られなかった。しかし、その外観は今日でも際立っており、同時代のフォード車やラリーカーの中でも最も見栄えの良い1台と言えるだろう。

エンジンをミドシップに搭載したため、RS200のフロントエンドは低く、力強い印象を与える。「バグアイ」と呼ばれるヘッドライトも特徴的だ。Bピラー上部の大型エアインテークから、最大650psを発生させるターボチャージャー付き1.8Lエンジンに空気を送り込み、リアには高速走行時の安定性を保つ巨大なスポイラーを装備している。本来のグループBラリーではほとんど活躍できなかったが、RS200はラリークロスのステージで真価を発揮することになった。

フォードRS200(1984年)
フォードRS200(1984年)

ティックフォード・カプリ(1984年)

英国のコーチビルダーであるティックフォードは、フォード・カプリの2.8L V6エンジンの出力を205psまで引き上げ、0-97km/h加速6.7秒、最高速度220km/hという性能を実現。さらに、外観にも惜しみなく手を加えた。実際に製作された車両のうち、1台だけがブラックで、残るすべてがホワイトだった。製作には1台当たり200時間を要したという。

ティックフォード・カプリは、純正のペッパーポット型アルミホイールをホワイトに塗り替え、フロントエアダムとクローズドグリルの採用により空力性能を高めている。ワイドフェンダーは路面すれすれに張り出したサイドスカートへと流れ、巨大なリアスポイラーへと続いている。

ティックフォード・カプリ(1984年)
ティックフォード・カプリ(1984年)

フォード・グラナダ・スコーピオ(1985年)

シエラに続き、フォードは1985年にグラナダ・スコーピオを発表した。内部構造はごくオーソドックスなものだったが、その外観は「ゼリー型」と呼ばれ、賛否両論を呼んだ。特に、セダンが廃止されハッチバックに置き換えられたことから、従来の顧客は驚きを隠せなかった。

後に4ドア・セダンが追加され、他の自動車メーカーも同様のスタイリング路線をたどるにつれ、スコーピオのフォルムは徐々に受け入れられるようになった。控えめながらも快適な移動手段として中堅の企業幹部たちに売り込まれ、このクラスではまだ非常に珍しかった四輪駆動モデルやABSも特徴だった。

フォード・グラナダ・スコーピオ(1985年)
フォード・グラナダ・スコーピオ(1985年)

(翻訳者注釈:この記事は「後編」へ続きます)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の英国の自動車雑誌『AUTOCAR』(1895年創刊)。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

デザインが秀逸なフォード車 40選の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

Google検索で『AUTOCAR JAPAN』の記事を見つけやすくする方法

人気記事