アウディR8

公開 : 2015.07.13 23:40  更新 : 2017.05.29 18:14

そんなエンジンをわれわれが好むのはご存知のとおり。NAユニットらしい、研ぎ澄まされたスロットル・レスポンスや硬派なエンジン・ノイズは、やはりターボでは得難いものだと再認識する。

ドライブ・モードをもっともハードなものに切り替えるとエグゾースト・ノートはさらに雄々しくなる。ギアボックスの変速は電光石火のごとし。耳をすませばダウン・シフト時にバックファイヤー音が聞こえる。良い。

今回は、比較的路面の良いポルトガルの南部をテスト・ルートとして設定、同時にポルティマン・レース・サーキットも走らせた。

サーキットの走行時を含む全行程でESPの介入を完全にシャット・アウトすることは許されなかったが、それに次ぐモードでもスライドはかなり許容されている。

コーナーへの進入直後からアンダーステアが顔を見せはじめるのはウラカンと同じであるが、そこからのスロットル調整による向きの変えやすさとアジリティはウラカンが最も欲しているところである。

ブレーキングをわずかに引きずりながらノーズをコーナーへ差し込むと、車体中心のエンジンを起点に向きを変えはじめる。脱出時にドンとアクセルを踏み込めば、そこから脱兎のごとく飛び出していく。

カーボン・セラミック・ブレーキ(標準)の制動力も言うまでもなく飛び抜けている。

テスト車両は ‘ダイナミック・ステアリング’ を組み合わせているおかげで、低速は高速域よりも鼻先の動きはクイックだ。システム単体は黎明期よりも良くなっており、高速域もどっしりと安定しているが、まだまだナチュラルと呼べるには達していないのは事実だ。

これに関しては911の方が優れている。

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