「アウディTT」2027年にカムバック! ほぼ見た目このまま ボクスターの兄弟EVで

公開 : 2025.09.03 12:45

アウディのスポーツカーへの復帰を宣言するコンセプトC TTとR8の中間に位置する2シーター 初代とイメージが重なるフォルム 技術は次期ボクスターと共有 ほぼこのカタチで2027年に発売

スポーツカー・カテゴリーへの復帰を宣言

アウディは、TTの後継モデルに相当する2シーターの電動スポーツカーを発表した。2027年に、ほぼこの見た目で発売されるようだ。スタイリングは、今後のアウディへ展開される次世代のデザイン言語を先取りしたものだという。

アウディ・コンセプトCがお披露目されたのは、イタリア・ミラノで開かれた同社のイベント。バッテリーEVへの転換期として難しい経営状態が続く現在だが、成長への回帰を目指す新戦略の1つをなす。

アウディ・コンセプトC(コンセプトカー)
アウディ・コンセプトC(コンセプトカー)

3世代続いたアウディTTは、2年前に生産が終了。ほぼ同じくして、V10エンジンのスーパーカー、R8の提供も終了している。

コンセプトCは、未来的なデザインとテクノロジー、従来のモデルとの結びつき、運転の一体感を融合させた電動2シーター・モデル。スポーツカー・カテゴリーへの復帰を、力強く宣言したといっていい。

TTとR8の中間 「殆どご覧の通り」2年後に量産化

アウディCEOのゲルノート・デルナー氏によれば、TTというモデル名は与えないとのこと。「コンセプトCは、TTの後継モデルではありません。セグメントが異なり、TTとR8の中間に位置します。生産が見えた段階で、命名するつもりです」

コンセプトCという呼び名は、アウディが新たに取り組む「クラリティ(明瞭性)」の頭文字と、1936年のグランプリレーサー、アウトウニオン・タイプCを想起させるもの。デザインチーフへ就任した、マッシモ・フラセラ氏の意思表明でもある。

アウディ・コンセプトC(コンセプトカー)
アウディ・コンセプトC(コンセプトカー)

フラセラは、ジャガーランドローバー社で13年間勤務。レンジローバーのデザインを担当した。アウディには2024年に加わり、シンプルさへのこだわりを当初から口にしていた。ブランドを「真に際立つ存在」へ、スタイリングで導くともしている。

ミニマルなコンセプトCは、彼の考えへ忠実だといえるだろう。「プレビューに近いもので、殆どご覧の通り」2年後に量産化されると明言した。

初代TTとイメージが重なるフォルム

コンセプトCのフォルムは、強調されたウエストラインの上に、リアまで伸びた丸いルーフが載る象徴的なもの。1998年の初代TTと、イメージは重なるはず。リトラクタブル・ハードトップを、アウディとしては初めて採用するようだ。

注目すべき処理は、4リングス・ロゴを際立たせ、運転支援システムのセンサーやカメラを覆う、縦に長いフロントグリル。アウトウニオン・タイプCだけでなく、2004年のA6などとも印象は重なる。「アウディの伝統を革新的に解釈した」と、表現されている。

アウディ・コンセプトC(コンセプトカー)
アウディ・コンセプトC(コンセプトカー)

ヘッドライトの点灯パターンには、4リングスを反映。夜間に、アウディであることを明確に認識させる効果があるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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