アシストをオフにすれば、途端にリアが開放される。ウォリックシャーの一般道よりもサーキットを走らせたいという衝動をぐっと堪えながら、心ゆくまで楽しんだ。

V12 Sの長所であったステア・フィールも健在。サーキットが主な舞台であるゆえ少しだけ無骨ではあるが、情報の伝達量や正確性はかなりのレベルに達している。フロント・タイヤが今どんな状況にあるかが手に取るようにわかる。

ギアボックスは、絶滅危惧種ともいえるロボタイズドATをいまだに採用しているのだが、変則の瞬間に足をアクセル・ペダルからそっと離してやればなかなかなめらかに進む。決して不満だらけというわけではないと感じた。

■「買い」か?

アストン・マーティン・ヴァンテージGT12は生粋のドライバーズ・カーである。

たしかに排気音はかなりのボリュームではあるが、スポーツカーとグランド・ツアラーの良いところを盛り込んだ、とてもよくできたクルマであることがわかった。

(マット・プライヤー)

アストン・マーティン・ヴァンテージGT12

価格	£250,000(4,871万円)
最高速度	330km/h
0-100km/h加速	3.5秒
燃費	7.0km/ℓ
CO2排出量	323g/km
乾燥重量	1565kg
エンジン	V型12気筒5935cc
最高出力	600ps/7000rpm
最大トルク	63.7kg-m/5500rpm
ギアボックス	7速オートメイテド・マニュアル