いすゞD-マックス・フューリー

公開 : 2015.11.30 23:55　　更新 : 2017.05.29 18:26

決して不快になるほどではなく、少なくともカンファタブルといえる程にとどめられているが、ライバルを差しおいて静かなキャビンとはいえない。

反面、シートのサポート性はよく、ポジションが高いため前方の見晴らしもずいぶんといい。後席のスペースだって十分である。

しかし荒れた路面だと、ボディが上下に揺さぶられる頻度は増してくる。また、内装もかなりチープだ。オプションのレザー内装はわずかに印象をよくしているものの、安っぽいプラスティックが目立つうえ、インフォテインメント・システムも直感的とはいいがたい。

(市街地でのステアリングは少しばかり重すぎるのを否定しないが)高速域になれば、適確な重みに転じる。ただし、SUVに匹敵するレベルに至った日産ナバラNP300のそれには、まだまだほど遠い。

■「買い」か?

並外れた実用性といすゞ製ピックアップらしい個性はあるが、他のライバルを差しおいて購入をおすすめする理由は見つかりにくい。

しかし、高級志向の三菱L200や日産ナバラNP300よりも安く買えるという魅力は無視できない。さらに英国内では、社用車として登録した場合、ライバルのSUVよりも税金が安くなるというメリットもある。

ただ、D-マックスを買う層が、外観を再優先するとは思えない。したがって、お金を節約して、エントリー・モデルを購入する方が賢そうだ。

どうしても欲しいというのならば、台数は300台と限られている。早めの行動をおすすめする。

(ダグ・レボルタ)