アウディR8 V10

公開 : 2016.05.09 23:55  更新 : 2017.05.29 18:14

  • アウディR8 V10 クーペ 5.2FSI クワトロ

ミドのV型10気筒エンジンは、大排気量の自然吸気エンジンらしく、低速域から一気に立ち上がるトルクと、俊敏の一語に尽きるアクセルレスポンスが魅力だ。SトロニックでDレンジを、そしてドライブ・モードもオートという、制御は完全にクルマ任せという状態のでも、ドライバーがアクセルやブレーキに何かしらの意思を伝えれば、新型R8はそれを忠実に反映した動きを見せてくれる。

左ハンドル仕様でドライブしたV10 plusは、さらに魅力的なスーパースポーツだった。オーバー600psのパワーをフルに路面に放出するためには、やはりクワトロ・ドライブのシステムは必要不可欠。その圧倒的なトラクション性能とスタビリティを体験してしまうと、いかに高性能なスタビリティ・デバイスを備えるモデルとはいえ、後輪駆動のスーパースポーツでアクセル・ペダルを踏み込むことには、オンロードではことさらに抵抗感を抱く。

610psにまで強化されたV型10気筒エンジンは、やはり圧巻のパフォーマンスだった。高速域でのパワーフィールは、スペック・シートの数字以上に刺激的なもので、それはライバルと比較しても、大きなアドバンテージとなるだろう。多くの自然吸気エンジンが、高効率化という大義名分のもとに消えていったことを考えると、アウディ、そしてランボルギーニに継承されるV型10気筒エンジンは、これからさらにスーパースポーツファンに高く支持されていくのは間違いないだろう。



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