アウディS8プラス

公開 : 2016.05.12 23:40　　更新 : 2017.05.29 18:14

インテリアはスタンダードのS8とさほど大きく変わらないが、S8プラスの場合、22ウェイの電動スポーツ・シートやカーボンファイバー製トリム、グレー・ベースに白い針のメーターが識別点となる。

格納式の大きなカラー・スクリーンは今となってはやや古いものの、操作のしやすさは相変わらず高評価に値する。ボーズ製の14個スピーカー、自動エマージェンシー・ブレーキ、可変クルーズ・コントロールも標準だ。後席スペースは ‘プラス’ だからといって広くなっているわけではないが、クラスを考えると十分に広い。たしかにトランクのサイズはいくつかのライバルより小さいものの、カスタマーの多くは満足できるはずである。

■「買い」か?

S8プラスは、エンジニアリングの実現しうるすべてを投入したクルマである。度を超えた快適性と、恐ろしいほどの速さ。これらが強い依存性を作りだしている。

また、メルセデス-AMG S63よりも比較的安く手にできるのも魅力だ。ただ、S63の方がキャビンは広いし、ハンドリングの方が優れている。いや、XJRならば、もっとハンドリングのレベルは高い。それに安い。

言い替えるならば、「買い」ではない。数年経って、中古車を買うならば話は別だが、極めて優れたS8プラスもまた、ニッチ・モデルなのだと感じた次第。