ミニ・クーパーD / クーパーSD 3ドア

公開 : 2016.06.10 23:50  更新 : 2017.05.29 19:14

■どんな感じ?

ミニ・クーパーD 3ドア(ベース価格300万円)および同5ドアの1.5ℓ3気筒は、先に触れたとおり、今回が初のお目見えとなる。メーカー公表の燃費は23.8km/ℓ(JC08モード)。BMWを含めた過去のディーゼル・モデルの例からすると、この燃費については高速巡航を主体にすると、実際に現実的な数値だろう。BMWグループのディーゼル・エンジン車、よく走るのだ。

もちろん、よさは燃費だけでない。低燃費を売り物ににした日本車とは少々違い、ミニにはライフスタイル・カーとしての矜恃があるように感じられる。つまり運転していて楽しさを感じるのだ。燃費さえよければあとはガマン、ということではない。しっかり作ってある。ひとつはゴーカート・フィーリングとミニでは謳う、切りこんだときに車体のロールを抑えつつ反応はやく曲がれるステアリング・フィールだ。

ミニも新世代になってサスペンション設定が見直され、乗り味に多少しっとり感が出てきた。それでもミニにおなじみのくいくいと曲がっていく操舵感が重視されているかんじはしっかり残っている。サスペンション・ストロークはそれなりにあるが、ダンピングを硬めにして独自のキャラクターを作っている。乗ればすぐにミニだとわかるのだ。

1750rpmから2250rpmにかけて27.5kg-mの最大トルクを発生する3気筒ディーゼル・ユニットは、すばやく曲がるスポーティさを特徴とするこのクルマに予想以上に合っていた。回転が上がり下がりする気持ちよさはガソリン・エンジンにはかなわないまでも、広めのトルクバンドを活かしてスピードでは遜色ない走りが出来る。3つのシリンダーの合計は1496ccだからむしろ小排気量なのだけれど、1000rpmより下からの太いトルクはターボチャージャーの設定もよく、3000rpmを超えるまで力強い加速が続く。

ディーゼル・エンジンが発する音は予想より低く抑えられている。無音でなく、運転席の前にファイアウォールを隔てて、どんな種類のパワーユニットが収まっているか、すぐわかる。バランスなどの点で、シリンダーが3本しかないエンジンには限界があるのだろう。といっても不快なほどではない。ミニに超がつく高級感を期待するひとは(あまり)いないだろうから、その点ではなかなかよいマッチングをみせてくれる。

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