ミニ・クーパー・コンバーチブルで氷上ドリフト(2)今も宿るラリー・モンテカルロのスピリット お手頃オープンカーの喜び

公開 : 2026.04.09 18:10

すっかり貴重になった、お手頃価格のオープンカー。英国生産となったクーパーのコンバーチブルで、目指すは北欧の氷上コースです。手懐けやすいドリフトで、UK編集部が感じたスピリットとは?

圧雪路でも驚くほど高い安定感

ノルウェーからスウェーデンを目指す、ミニ・クーパー S コンバーチブル。「ゴーカート」ドライブモードを編集し、アクセルとステアリング、スタビリティ・コントロール、7速デュアルクラッチATを、自分好みの設定へ整える。

トラクション・コントロールを切る、「DSCオフ」にもしようかと思ったが、氷上コースでのお楽しみに取っておいた。オンのままなら、圧雪路でも驚くほど安定感は高い。

ミニ・クーパー S コンバーチブル(欧州仕様)
ミニ・クーパー S コンバーチブル(欧州仕様)

レトロフューチャーなインテリアデザインへ目がゆきがちだが、気配りも効いている。特に真冬の北欧では、フロントシートとステアリングホイールのヒーターを、3段階に調整できるのはありがたい。

峠を越えて、スウェーデン中西部の小さな町、オーレへ近づく。オープン状態で走る筆者を、対向車のドライバーは興味深げに見つめていく。稀に、応援の意味でクラクションが鳴らされる。

心地良いサウンドを奏でる4気筒ターボ

2.0L 4気筒ターボエンジンは、普通に扱っている限り刺激は薄い。それでも、乾燥した氷点下の大気で回すと、心地良いサウンドを奏でる。

エンジン版のF67型ミニ・クーパーは、見た目は4代目でも、実際は3代目の大改良版。テールランプが、バッテリーEV版の4代目と違っているのが、その証拠になる。

ミニ・クーパー S コンバーチブル(欧州仕様)
ミニ・クーパー S コンバーチブル(欧州仕様)

静かな町が面した、オーレス湖へ到着。ささやかなゲートを抜けると、小さなサーキットが広がっていた。エルクテストで垣間見た、クーパー Sの鋭い身のこなしを存分に確かめる時間がやって来た。もちろん、DSCオフで。

発進でアクセルペダルを踏み込むと、グリップが追いつかずフロントタイヤが氷を掻きむしる。スタビリティ・コントロールが切れていても、走りに不安定さは殆どない。カーブへ臆せず飛び込める。

今も宿るラリー・モンテカルロのスピリット

氷上コースでも、クーパー Sが得意とするリフトオフ・オーバーステアは誘いやすい。アクセルペダルを緩めれば、フロントが内側へ吸い込まれていく。穏やかにテールスライドし、ステアリングホイールを軽く掴む手首の操作で、アングルを整えられる。

姿勢が決まったら、アクセルオンでドリフト状態を維持できる。初代と比べれば、すっかり大きく重くなったミニだが、ラリー・モンテカルロのスピリットは今も宿るらしい。フロントタイヤが巻き上げる氷の粉が、盛大に車内へ降り注ぐ。

ミニ・クーパー S コンバーチブル(欧州仕様)
ミニ・クーパー S コンバーチブル(欧州仕様)

コンバーチブルでも、クーパー Sはしっかりミニ。選択肢が限られる、お手頃価格のオープンカーの1台は、運転も楽しい。希少だから、乗り手の個性も表現できる。まだまだ、提供は続いて欲しい。

北欧の冬は、日が短い。薄暗くなってきた頃、雪も舞ってきた。ソフトトップを閉めると、ディープ・ブルーのアンビエントライトで車内は淡く照らされた。オーロラは諦めることになったが、記憶へ残るような夕方だった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブン・ドビー

    Stephen Dobie

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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