また、可変クルーズ・コントロールとレーン・キープ・アシストを組みあわせた ‘パイロット・アシスト’ の完成度も高い。今回はかなりの距離で試してみたが、日常的なドライブでも不足ない仕上がりとなっていた。

キャビンにも不満がほとんどない。ドライビング・ポジションはしっくりとくるし、ふわりとしたシートの座り心地もいい。四隅の視界もきちんと確保されているよううだ。ダッシュボード上のボタンにもすぐに慣れる。

後席の足元も広々しているうえ、トランクの容量も大きい。60/40の分割可倒式が標準であるのも、多くのライバルに差をつける大事な要素となっている。

■「買い」か?

「買い」。唯一購入を引き止めるとしたら、それは4WDならではの、天候を問わぬアビリティを諦めなければならないという点だろうか。

ただ、FFのテスト車でも、大きな力不足を感じることはなかった。4WDのために支払うエクストラを考えると、なおさらそう感じざるを得ない。

極めつけは、S90 D4のCO2エミッションだ。この数値で税金が左右される英国では、特に社用車として使用する場合にアドバンテージとなるだろう。

ボルボは復活した。今回のテストを通して ‘欲しい’ と思えるクルマが登場したことがわかった。

ボルボS90 D4

価格	£35,555(550万円)
最高速度	225km/h
0-100km/h加速	8.2秒
燃費	22.7km/ℓ
CO2排出量	116g/km
乾燥重量	1680kg
エンジン	直列4気筒1969ccツイン・ターボ・ディーゼル
最高出力	191ps/4250rpm
最大トルク	40.8kg-m/1750-2500rpm
ギアボックス	8速オートマティック