フェラーリ488スパイダー

公開 : 2016.08.12 05:50  更新 : 2017.05.29 18:52

ただ、念のためにいっておくが、決して慢性的に起こる振動ではない。たとえばマクラーレンの剛健なカーボン・タブをこよなく愛する人にはわかる、といった程度の振動である。よって好みによるところもあるだろう。

それよりも、488 GTBならではの楽しさがスパイダーになることで損なわれていないことのほうを喜ぶべきだ。コンピューター側は、意図的にリアを滑られせることが実にうまい。自由を手にした気持ちになる。そこに恐ろしさみたいなものもなく、実にスマートである。

■「買い」か?

隙のない488スパイダーにおける唯一の注意点は、その依存性である。エンジンはもちろんだが、458スパイダーでは決してあり得なかった、磁気粘性ダンパーによる乗り心地のよさが、そう感じさせるのだろう。

屋根を開け放てば、気まぐれでドライブにいける。ゆったりとした速度から、あまり大きな声ではいえないスピードまで、フェラーリはこれほどまでフレンドリーだっただろうか? とわたしを戸惑わせる。

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