■どんな感じ?

先駆的な試みが多いが、スタート・ボタンを押し、ギアを「ドライブ」にいれると、いともかんたんに ―そして静かに― 前へ進む。うららかな体験である。

アクセルの踏み具合によって、じつにスムーズにパワートレインが切り替わる。低速域の洗練性はディーゼル勢にとって悔しいポイントとなるだろう。

エア・サスペンションは前後アクスルに組みこまれており、路面の唸りを淡々と吸収、後席の住人を「外界」から隔離する。

シャシー・セッティングをコンフォート→スポーツにしても「ドライバーズカー」とはいえないものの、峠道でハッスルできるキャラクターになる。

ステアリングは十分にダイレクト。4WDによるパワーのシャフリングは的確かつ素早く、メルセデス・ベンツSクラスでは感じることのできなかった、(体感的に)軽やかなマナーを実現している。