エンジンに関して、どのクルマに乗っても誰よりも速いラップタイムを出していたソーンダースが、もっとも特徴的だったのは718ケイマンSだと口にしていた。

「瞬間的なトルクは911より上じゃないかな。唸りもそうだけど」。ただし、他のクルマに負けないペースで走れた理由は「ハンドリングだね」とのこと。

柔軟な操縦性、タイトなボディの動き、そして完璧なバランス。Sのサフィックスとともに得た50psも、このシャシーなら使い切れる。「ラップタイムが運動性の素晴らしさを明らかに示してるね。ギア比もこのコースにピッタリ。コーナリングでは万一に備えるだけの安定性もあるんだから、エイペックスを外してキャッツアイを引っかけたりしないでくれよ。やらかしたら、雑誌の儲けなんか吹っ飛ぶ金額になるんだから(笑)」

このテストがいかにハイ・レベルかと問われたら、ケイマンの得点から察してもらうよう答えることにしよう。史上屈指の傑作シャシーを持つスポーツカーが、300点満点で255点止まりの5位なのだから。

ほかのクルマの順位はというと、サーキットで点を稼いだM4 GTSが、公道での低評価が響いて最下位。その不名誉を辛くも免れたのがフォーカスRSで、その上にジャガーF-タイプSVR、BMW M2、ホンダNSX、アストン マーティン・ヴァンテージGT8と続く。718ケイマンと僅差で4位に入ったのはマクラーレン570Sだった。

というわけで、上位5台にマクラーレンとポルシェが2台ずつ入ることが確定した。もう1台は、前回王者のフェラーリだ。そして、ポディウムに上るのは、この三強から1台ずつとなった。頂点に上るのは、果たしていずれか?