マツダCX-3 XDプロアクティブ

公開 : 2016.12.05 05:53　　更新 : 2017.05.29 19:12

■「買い」か?

同等装備で価格をデミオと比較するとCX-3は40万円以上高い見当。高級感があるとかデザインに惚れたといった嗜好的な部分をコスパに置き換えることはできないが、予算建てで20%近いアップはベタ惚れが必須要件。

一方、コンパクトなクロスオーバーSUVに目を移せばホンダ・ヴェゼルが浮かび上がる。さらにデビューが迫ったトヨタ C-HRも見えてくる。両車ともハイブリッドとダート・スポーツとでも言いたくなるようなルックスがセールス・ポイント。ヴェゼルは装備揃えで同等価格。C-HRもそう離れた値付けにはならないだろう。個性を主張するスペシャリティなクロスオーバーSUVとして三つ巴の戦いになるのは必須だ。

両車とも見掛けに似合わず後席居住性や荷室容量を配慮した設計。とくにヴェゼルは実用性でも優等生。キャビン実用性はCX-3の及ぶところではない。走りではハイブリッド vs ディーゼルの比較になり、日常用途燃費でハイブリッド勢、高負荷連続走行燃費と余力でディーゼルに分がある。もっとも、C-HRはハイブリッドと4WDの組み合わせがないので、トップレベルの省燃費と4WDを求めるユーザーには対象外。

これらを勘案したCX-3のターゲット・ユーザーは、絶対に外せない基本的な用途のひとつがロング・ツーリングであり、スペシャリティな雰囲気が内外装や走りから楽しめて、高アイポイントで見晴らしがいいクルマを求める人。中でも2名乗車を基本にプラスαの実用性を求めるプレ&ポスト・ファミリーや上級クラスから移行しても走りの余裕や質にこだわるダウンサイザーなら投資に十二分な魅力と内容が備わっている。