国内メーカー、2017年1月の生産台数・販売状況

2017.02.07

1月の新車販売は3カ月連続でのプラス。ただし軽自動車は再びマイナスに

日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会がまとめた2017年1月の全体での国内新車販売は、前年同月比4.9%増の40万1646台と3カ月連続で前年実績を上回った。カテゴリー別では、登録車が同8.6%増の25万8085台と6カ月連続でのプラス。一方で軽自動車は同1.1%減の14万3561台と2カ月ぶりの前年割れとなった。市場の動きについて業界団体の関係者は「登録車は各社の新型車が販売を牽引し、数字を伸ばしている。軽自動車は先月に24カ月ぶりのプラスを記録したものの、増税による影響が長引いているために全般的には不調で、再びマイナスに戻ってしまった」と解説。今後の展開については「登録車は販売成績を上向かせるニューモデルが相次いで登場したので、これからどれくらい好調なセールスを維持できるかが鍵。軽自動車は新型に切り替わったワゴンRや一部改良を実施した日産デイズなどが、どれほど販売を伸ばせるかがポイントとなるだろう。全体的には市場の購入意欲が依然として低調なため、楽観できない状況が続く」と分析した。

車名別ランキングでは大変動が起きた。首位に立ったのは前月に続いてホンダN-BOXで、前年同月比28.3%増の1万7640台を達成する。続く第2位には、e-POWERと称する新電動パワートレインを積んだ新型HVを追加した日産ノートが位置。第3位にはスマートアシストⅢの搭載など一部改良を行ったダイハツタントが入った。一方、トップ3の常連で、昨年度の販売首位に輝いたトヨタプリウスは第7位に陥落。しかも、この第7位がトヨタ車の最高順位という異例の結果となる。トップ10を一覧すると、登録車は6車種で、残り4車種が軽自動車。この比率になるのは4カ月連続である。

注目のニューモデルの動向を見ていこう。昨年12月にルークスの一部改良を実施した日産デイズは、第5位にランクイン。発売1カ月で月販目標の8倍となる約4万8000万台の受注を記録した新コンパクトSUVのトヨタCH-Rは、第8位に位置する。昨年9月に新型に移行したホンダ・フリードは、同195.0%の大幅増で第10位に入った。また、新型トールワゴンのトヨタ・ルーミーは第17位、トヨタ・タンクは第21位に位置。第5世代に切り替わった新型スバルインプレッサは同60.3%増で第19位に、1月にハイブリッドモデルを追加するなど一部改良を行ったトヨタ・ヴィッツは同21.7%増で第22位に、1月に全面改良して4代目に移行した新型スズキスイフトは同77.5%増で第31位にランクインした。

2017年1月 車名別乗用車販売台数ランキング (日本自動車販売協会連合会発表)

メーカー モデル 台数
1 日産 ノート 14,113
2 日産 セレナ 11,179
3 トヨタ プリウス 9,883
4 トヨタ C-HR 9,144
5 トヨタ シエンタ 9,108
6 ホンダ フリード 9,029
7 トヨタ アクア 8,225
8 トヨタ ヴォクシー 6,412
9 トヨタ ルーミー 6,281
10 ホンダ フィット 6,280
11 スバル インプレッサ 6,227
12 ホンダ ヴェゼル 6,013
13 トヨタ タンク 5,335
14 トヨタ ヴィッツ 5,284
15 トヨタ ハリアー 5,063
16 日産 エクストレイル 4,950
17 トヨタ ヴェルファイア 4,938
18 トヨタ カローラ 4,635
19 マツダ デミオ 4,227
20 トヨタ ノア 3,918
21 スズキ スイフト 3,788
22 スズキ ソリオ 3,542
23 トヨタ パッソ 3,500
24 ホンダ ステップワゴン 3,380
25 マツダ アクセラ 3,227
26 トヨタ アルファード 3,118
27 トヨタ エスクァイア 2,868
28 ホンダ シャトル 2,597
29 トヨタ クラウン 2,411
30 スバル フォレスター 2,081

輸入車の新規登録台数は10カ月連続で前年超え。VW/アウディは回復傾向

輸入車の新車販売は好セールスを継続する。1月の外国メーカー車の新規登録台数は前年同月比2.8%増の1万7521台と、10カ月連続でのプラスを達成。日本メーカー車含でも同3.9%増の2万1175台と前年超えを記録した。登録車に占める輸入車のシェアは、国産車の販売が伸びたためにここ最近では低めの6.8%にとどまるが、それでも堅調なレベルを維持する。市況についてJAIA関係者は「輸入車販売は好調に推移している。とくにエコカー減税の対象となるディーゼル車の人気が高く、登録台数に占める割合は18.5%を記録した。排出ガス不正問題の影響で苦戦が続いていたフォルクスワーゲンとアウディの販売も回復しつつある。価格帯では400万円未満のクラスが同13.6%減とマイナスとなったものの、400万円以上のクラスは2桁の伸びを示した。今後は400万円未満の復調が鍵となるだろう」と解説した。

外国メーカーのブランド別成績では、前年同月比1.0%増の4161台の新規登録を達成したメルセデス・ベンツが23カ月連続での首位に輝く。続く第2位には同4.7%増の3135台を記録してワンランクアップを果たしたフォルクスワーゲンが位置。第3位には同4.6%減(2472台)で1つ順位を落としたBMWが、第4位には同7.6%増(1647台)を成し遂げたアウディが入った。

ドイツ4強以外では、ボルボが前年同月比20.1%増(1046台)、ジープが同26.4%増(551台)、ルノーが同41.4%増(379台)、シトロエンが同70.0%増(153台)、ジャガーが同7.9%増(150台)、アルファロメオが同27.7%増(129台)、アバルトが同28.0%増(105台)、マセラティが同57.6%増(93台)、DSが同65.4%増(86台)の好成績を達成する。いずれのブランドもニューモデルの設定や販売キャンペーンの強化などが功を奏した。

前年同月比で9.8%のプラス(3654台)を記録した日本メーカー車の輸入車の動向にも触れておこう。マーチなどを輸入する日産自動車は前年同月比7.1%増(1700台)、アベンシスやタウンエース/ライトエースなどを輸入するトヨタ自動車は同15.7%増(1144台)、バレーノやエスクードSX4 S-CROSSなどを輸入するスズキは同11.1%増(429台)、ミラージュなどを輸入する三菱自動車は同40.7%増(377台)の好成績を成し遂げる。ホンダはわずか4台の輸入だが、今後は英国から新型シビックのハッチバックおよびTYPE R(発売は2017年夏を予定)、アメリカから新型NSX(発売は2017年2月)が導入される予定なので、数字は大きく伸びるだろう。

2017年1月 車名別輸入車新規登録台数 (日本自動車輸入組合発表)

メーカー 1月 2017年累計
1 Mercedes-Benz 4,162 4,162
2 VW 3,135 3,135
3 BMW 2,472 2,472
4 Nissan 1,700 1,700
5 Audi 1,647 1,647
6 BMW MINI 1,182 1,182
7 Toyota 1,144 1,144
8 Volvo 1,067 1,067
9 Jeep 551 551
10 Porsche 499 499
11 smart 477 477
12 Suzuki 429 429
13 Renault 379 379
14 Mitsubishi 377 377
15 Peugeot 354 354
16 Fiat 336 336
17 Citroen 153 153
18 Jaguar 150 150
19 Land Rover 142 142
20 Alfa Romeo 129 129
21 ABARTH 105 105
22 Maserati 93 93
23 DS 86 86
24 Ferrari 43 43
25 Chevrolet 33 33
26 Cadillac 31 31
27 Ford 31 31
28 Lamborghini 28 28
29 Rolls Royce 27 27
30 Dodge 23 23
31 BMW Alpina 22 22
32 Mclaren 22 22
33 Lotus 16 16
34 Aston Martin 14 14
35 Bentley 14 14
36 Chrysler 12 12
37 Scania 9 9
38 Hyundai 7 7
39 Honda 4 4
40 Lancia 3 3
41 Rover 3 3
42 Autobianchi 2 2
43 GMC 2 2
44 Morgan 2 2
45 Buick 1 1
46 Maybach 1 1
47 MG 1 1
48 Saab 1 1
others 54 54
合計 21,175 21,175
文・大貫直次郎

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