新型アウディA5のカブリオレを早速試乗 2.0ℓガソリン・エンジンの存在意義は?

公開 : 2017.02.28 09:09  更新 : 2017.05.29 18:13

オープンカーの醍醐味というのは遊び心がともなってこそ、ということを思い出してほしい。

例えばエンジンだ。前述したようにリニアな特性を示すが、最後の一滴を絞りだすためにアクセルを踏み切る気にさせるような、爆発的な力の盛りあがりに欠けるし、そこには心を掻き乱されるような聴覚的要素も当然みあたらない。

なめらかであり、それでいてより経済的な3ℓV6ディーゼル・エンジンを差し置いて、どうしてこのガソリン・エンジンを選択する必要があるのだろう?

A5カブリオレというクルマは、優雅な歩調で流したいものだが、実はディーゼル・エンジンの方がこういった走りには向いている。

このガソリン・エンジンが耳触りの良いサウンド・トラックを提供しないのなら、ますます3ℓV6ディーゼル・エンジンを選ばない理由がわからない。

アダプティブ・サスペンションをコンフォート・モードへ切り替えると、そこからはゴツゴツとした乗り心地は無縁となる、意図的に道にあいたくぼみをめがけ、それを通過した時もである。

長くて屋根の無い車体を持つこのクルマだが、ステアリング・コラムの異常な振動を除けば、剛性はとても立派である。剛性自体は先代A5カブリオレに比較して40%の向上を謳うが、それが単なるマーケティング上のウリ文句ではないことも納得する。

ダイナミック・モードへ切り替え、タイトなコーナーへ進入しても、Mスポーツ仕様の430iを繰っているような感覚は得られないが、どんな時でもA5カブリオレは絶えず冷静で落ち着いている。

ステアリングも正確。アクセル操作に反応してリアはおもしろいように追従する。A5は常時安定していた。ちょっと無理をすると、若干のアンダー・ステアが伴うくらいで。

その他の点では、A5カブリオレはとても素晴らしい。走行中でも遮音性に優れた幌は快適な車内空間を確保する一方で、スイッチひとつの操作で幌が開き、風の巻き込みを防ぐウインドウがせりあがり、たった15秒でオープンエアを満喫することができる。

しかも、あなたは助手席の同乗者と会話を続けることも、電話の会話を続けることも(シートベルトにそれ用のマイクが内蔵されている)、そしてオプションで装着できるバング&オルフセンの素晴らしい音響を苦もなく満喫することもできるのだ。

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