時には柔軟に、時には鋭敏に! 新型 アウディRS5 アバント(2) 期待を遥かに超えたRS系初のPHEV

公開 : 2026.03.04 18:10

最新RS5 アバントは2370kgで639psのプラグインHV 筋肉質なフェンダーに大胆なバンパー カギを握るリアデフ内蔵のモーター 驚くほどの快適性 他に例がない敏捷性 UK編集部が試乗

モーターが叶えた凄まじいレスポンス

2.9L V6ツインターボのプラグイン・ハイブリッドで、総合639psを叶えたRS5 アバント。エンジンは至極滑らかに回り、8速ATへ内蔵される駆動用モーターは変速時にトルクを加え回転数をシンクロさせ、レスポンスは凄まじい。

オプションのパフォーマンス・パッケージを装備した試乗車の場合、0-100km/h加速は3.6秒で、最高速度は284km/hとのこと。だが実際は、変速も含めて、その瞬間的なレスポンスに息を呑む。駆動用モーターの生む絶大な効果は、疑いようがない。

アウディRS5 アバント・パフォーマンス・パッケージ(欧州仕様)
アウディRS5 アバント・パフォーマンス・パッケージ(欧州仕様)

パフォーマンス・パッケージを組むと、ホイールは21インチになり、カーボンセラミック・ブレーキも与えられる。ディスクの直径は前で440mm、後ろで420mmだから、2370kgの運動エネルギーを問題なく熱に変換し続けられるはず。

ブレーキはバイワイヤ制御。回生ブレーキも介在するが、ペダルの踏み心地は安定していた。かなり攻め込んでみたが、フェードの兆候は微塵もなかったといえる。

四輪駆動スーパーカーのような挙動

アウディが用意したスラロームコースで、電子的な支援をオフにし、RSトルクリア・モードを起動。きついコーナーへ飛び込むと、徐々にテールは外へ流れ、カウンターを当てながら脱出。盛大なスモークとともに、ドリフトアングルの維持も難しくない。

挙動としては、フェラーリ 849テスタロッサアウディR8といった、リア寄りの四輪駆動スーパーカーのよう。それでいて、砂の浮いたハンドリングコースでは、安定した身のこなしを披露。テールハッピーな仕草を抑え、最速のラインでも巡れる。

アウディRS5 アバント・パフォーマンス・パッケージ(欧州仕様)
アウディRS5 アバント・パフォーマンス・パッケージ(欧州仕様)

僅かにアンダーステアだが、アクセルペダルを更に蹴飛ばしても、ノーズが外へ流れる様子はなし。リアデフに内蔵されたモーターが、左右のリアタイヤの回転数を個別に制御し、ラインはむしろ内側へ絞られていく。タイヤは減るはずだが、実に面白い。

必要なら、電気だけで走行も可能。現時点で公表されている数字は、エンジンを回さず最長80km走れ、CO2の排出量は87-106g/kmとのこと。燃費は24.8km/Lが予想される。ガソリンタンクは48Lで、気張って走れば短時間に空になりそうだが。

驚くほどの快適性 他に例がない敏捷性

すべてのRS5のオーナーが、ニュルブルクリンクを攻めるわけではない。ダンパーをコンフォート・モードにすれば、試乗したモロッコの傷んだアスファルトでも、驚くほどの快適性を披露してみせた。

軽くないボディの制御には、相応に太いアンチロールバーが必要だが、揺れは控えめ。重心が低いのだろう。カーブでのロールは抑え込まれ、加減速時のピッチングも小さい。

アウディRS5 アバント・パフォーマンス・パッケージ(欧州仕様)
アウディRS5 アバント・パフォーマンス・パッケージ(欧州仕様)

ステアリングの反応はポジティブ。重さは3段階から選べるが、ライバルほどヘビーではない。リアアクスルのモーターが後輪操舵システムのように働き、見た目の大きさから想像する以上に、ノーズの反応は素早く機敏だ。

旋回時には、ドライバーがステアリングを調整するより早く、モーターが内外のリアタイヤを瞬時に調整。必要なければ、瞬時に身を引く。至って自然で、極めて軽快な走りを実現している。これほどの車重を持ちつつ、ここまで機敏なモデルは他に例がない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    役職:編集委員
    新型車を世界で最初に試乗するジャーナリストの1人。AUTOCARの主要な特集記事のライターであり、YouTubeチャンネルのメインパーソナリティでもある。1997年よりクルマに関する執筆や講演活動を行っており、自動車専門メディアの編集者を経て2005年にAUTOCARに移籍。あらゆる時代のクルマやエンジニアリングに関心を持ち、レーシングライセンスと、故障したクラシックカーやバイクをいくつか所有している。これまで運転した中で最高のクルマは、2009年式のフォード・フィエスタ・ゼテックS。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

新型 アウディRS5 アバントの前後関係

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